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米長老教会出版部が9・11事件ブッシュ政権謀略説を刊行

 【CJC=東京】米長老教会(PCUSA)出版部が「9・11同時多発テロ」を扱った新刊書「キリスト教信仰と9・11の裏の真実」を発表したが、教会内外の保守派から早くも批判の声があがった、とルイビル・クーリエ=ジャーナル紙が報じている。
 カリフォルニア州のクレアモント神学校のデビット・レイ・グリフィン名誉教授がこの著書の中で、アメリカの「悪魔的な」皇帝の権力拡張の口実に攻撃を実行した、とブッシュ政権を非難している。
 グリフィン氏は、世界貿易センタービルが崩壊したのは秘かに置かれた火薬類のためだとの証言を取り上げ、旅客機がビルに衝突して炎上したからではない、と主張する内容で、保守的な長老派のウェブサイトでは、不買運動が始まっている。
 本の内容が明らかになると、信徒230万人の同派が、財政難、会員数減少、同性愛聖職をめぐる総会での対立といった問題に取り組んでいる最中に出版部されたことに懸念の声も上がった。
 出版部は、役員は同派総会で選任されるものの、経営は書籍販売収入でまかなう独立採算方式なので企画も独自に決定している。
 デービス・パーキンス出版部長は、刊行物の姿勢が教会の立場を反映するものではない、と言う。ただ発行を決定したのは、突拍子もない主張ではなく、学術的な成果だったからだ、と刊行決定を擁護している。
 本書はウェストミンスター・ジョン・ノックス社から発売された。出版部は、初版7500部のうち販売部数は明らかにしていない。
 グリフィン氏はクリスチャン教会(ディサイプル・オブ・クライスト)の会員。出版部では同氏の神学書を他にも刊行している。長老派から批評の声が上がったことを知ってはいるが、「実際に読んだ人」からは聞いていない、と言う。

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2006-08-22T02:56:25+09:00