【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)から破門されたマルセル・ルフェーブル司教が創設した聖ピオ十世会では、教皇ベネディクト十六世と指導者ベルナール・フェレイ司教が昨年8月接見し、和解への道を探ったが、それから1年、具体的進展は見られていない。
同司教は「教皇が、より速く進めたいとしたが、枢機卿の反対に直面しているのだと思う」と8月24日米カトリック系CNS通信に語った。
ピオ十世会は、第二バチカン公会議が導入した変革の多くを拒絶した故マルセル・ルフェーヴル司教が創設したもの。教皇の指示に背いて独自に司教4人を叙階したことから1988年に破門された。フェレイ司教は4人の中の1人。
第二バチカン公会議で採用されたミサに反対する同司教は、トリエント・ミサが実際には廃棄されていないのだから自由に執行できるとバチカンが宣言すべきであり、これが関係改善につながる、と言う。
枢機卿の中にも、ピオ十世会との和解に積極的なダリオ・カステリヨン・オヨス司教などはトリエント・ミサの使用を広範囲に認めるべきだ、としているが、反対の声も強い。
フェレイ司教は、ピオ十世会の見解として、教会が典礼、規律、信仰形成、教育などでここ40年間教会が「大々的衰退」を経験した、と語った。「私たちは、問題の大部分が公会議で導入された「新商品」から来た可能性がある、と当局に指摘した」と言う。問題は教会がルフェーブル派に関して何をするべきかではなく、教会がどのようにこれらの基本的な内部問題を解決するべきかなのだ。
フェレイ司教は、教皇と会見後にこの教皇が「私たちの言うことを聞くことができ」、聖ピオ十世会の要求は「不可能レベルでない」ことを確信したと語った。ただそれには時間が、何年も必要だろうと言う。
この7月に、フェレイ司教は聖ピオ十世会総長に再選された。任期12年。