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エイズ克服に他宗教から学ぶ必要=トロントで国際エイズ会議

 【トロント=ENI・CJC】(クリスティーン・グリーナウェイ記)HIV(後天性免疫不全症候群=エイズ)患者の悩みに打ち勝つために、キリスト者は、他宗教から学ぶ必要がある、とトロントで8月13日から18日まで開かれた国際エイズ会議の席上、指摘があった。世界的に流行している病気への対応方法を共有しよう、と会議には500人近くが参加した。
 「仏教徒は非常に謙虚である点で、驚くべきものがある。判断しない宗教の一例だ。罪の概念が全くない。人間をあるがままに受け入れる」と語ったのは、世界教会協議会HIV・エイズ担当のマノイ・クリアン博士。イスラム教徒の応答は「実践的であり、コンドームや受胎調節に反対しないし明確に禁止しないというのでもない。しかし不義は強く禁止している」と言う。
 15日にはトロント中心部で超教派の「礼拝」が行われた。
 「どの宗教というのではなく信仰に基づく応答にはユニークなものがある。それは医療機関、政府機関、国連諸機関などの対応とは異なったものだ」と、世界宗教者平和会議のジェームズ・ケアンズ氏は言う。その違いはこれまでになかった広大なリソースを代表する霊的エネルギーによるものだとして「アフリカ全体ではさまざまな信仰伝統の集会が100万ある。他のどこにもそれだけの数はない」と語った。
 それでも、HIV関連の偏見や恥辱感とキリスト教神学との関係について10年以上研究してきたジリアン・パターソン氏は宗教間の議論を通じ偏見を克服することに関して警告した。「自己検証に進むことはわずかで偏見を公的なものにしてしまう。まず個人の問題であり、公的な場では出来ないのだ」と言う。

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2006-08-29T02:19:14+09:00