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「カトリック大陸」ラテンアメリカに「宗教多元化」の波

 【ジュネーブ=ENI・CJC】(スティーブン・ブラウン記)ラテンアメリカ(中南米)は「カトリック大陸」と考えられていたが、現在では「宗教多元化」が見られ、敵対的な競争になっている、と世界教会協議会(WCC)のウォルター・アルトマン議長が8月30日、中央委員会への報告書で指摘した。「驚くべき変化が進んでいる。宗教多元化に向かう一貫した傾向が今後転換するという兆候は全くない」と言う。
 ブラジル・ルーテル信条福音教会議長でもあるアルトマン氏は、同国でローマ・カトリック信徒の人口比率が1999年の83・5%から2001年の73・5%に低下した、とアルトマン議長は指摘する。ペンテコステ派と新ペンテコステ派の運動が相まって並はずれた成長を見せているが「同時に、より静かなしかし見逃せない傾向が見られる。それは土着共同体宗教表現の再発見である。特にアフリカ系市民の霊性の起源に遡るものだ。すべての兆候はラテンアメリカが将来、今日よりさらに多彩な宗教多元性を持つことを示している」と言う。
 一方「福音派の教会には、強い反カトリック教徒感情と発言がある。他派やその宗教表現について言及する時に、“偶像崇拝”“シンクレティズム”“魔法”などの言葉がためらうことなく使用される」とアルトマン議長は指摘する。
 そのような感情は伝統的な教派でも見出される。ブラジルのメソジスト教会は、キリスト教会協議会などの団体からの脱退を決めた。
 「皮肉にも」メソジスト教会の決定は「ソウルで開かれた世界メソジスト協議会が義認教義に関するルーテル派とカトリックの共同宣言支持を表明する直前のことだった」としてアルトマン議長は報告書で「新たな“聖戦”や全面対立とまで行かなくても、相互対立に陥ることを避けるため、聖書的神学的に責任ある道はエキュメニカル(教会一致)な協力だけだ」と呼びかけた。

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