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ルーテル世界連盟の元会長は秘密警察のスパイだった

 【オスロ=ENI・CJC】ルーテル世界連盟(LWF)のグンナー・スタアルセット前総幹事は、同連盟のゾルタン・カルディ元会長が共産主義政権下のハンガリーで秘密警察のスパイだったとの報道に「とても驚いた」と語った。
 ノルウェーの神学者トールモー・エンゲルスヴィケン教授が、ハンガリーのルーテル教会とLWFなど世界的な組織との関係について3年にわたって研究した際にカルディ会長に関する秘密警察書類から発見したとして、10月初め発表した。
 カルディ氏は、スパイの暗号名「ペッツィ」。ハンガリー南部の教区で1958年に当局から辞任を強要されたラジョス・オルダス監督の後任となった時にはすでにスパイだった。84年にブダペストでLWF大会が開かれた際に会長に選出された。87年に死去している。
 ノルウェーのキリスト教日刊紙『ヴァルトランド』とのインタビューで10月18日、スタアルセット氏は、秘密警察の活動に関与した証拠が当時知られていたならカルディ会長選出はなかっただろう、と語った。スタアルセット氏は1985年にLWF総幹事に就任、94年まで在任した。
 スタアルセット氏は、当時の東欧各国の監督は、共産主義体制から無関係に選出されたり、その任務を果たすことは出来なかった、と指摘する。「カルディ氏がLWFの神学や運動に直接影響を与えることは全くなかった」として、カルディ氏が1978年以後、秘密警察のために働いていた証拠を、エンゲルスヴィケン教授が発見しなかったことで救われた、と語った。
 LWFのイシュマエル・ノコ総幹事は「冷戦によって南北双方で指導者多数が、共産主義政権や独裁政権と結び付いていると噂されたことを忘れてはならない」と声明で述べている。□

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2006-10-24T00:53:45+09:00