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「無担保小口融資こそ貧困対策に有効」とオイコクレジット

 【ジュネーブ=ENI・CJC】教会が支援する貧困層を対象とした小口無担保融資(マイクロ・クレジット)事業『オイコクレジット』(本部オランダ・アメルスフォールト)は2006年1〜10月に1億ユーロ以上の資金を確保した。これまでの最高記録、と関係者は指摘している。一般の銀行融資の対象とならない貧困層を対象としたマイクロ・クレジット事業では、融資した資金の返済率が高かったことからも、貧困対策に有効なことが立証されたという。グラミン銀行を創設したバングラデシュの経済学者ムハマド・ユヌス氏(66)も今年のノーベル平和賞を受賞した。
 「私たちはユヌス氏のここ30年間の革新的な活動から多くのことを学んでいる。ユヌス氏は、1日1ドル未満で生活する11億人に新たな人生の展望を与えた。そのうち約4億5000万人がすでに、小口融資により自身の収入源確立の目処が立ったが、なお多くの人が融資を待っている」と『オイコクレジット』のトル・G・グル氏は10月24日、声明で指摘した。
 最近の融資は、インド・タミールナドゥ地方の貧しい農村地域で下層カーストの女性支援を目的とする活動に対し35万ユーロが行われた。
 『オイコクレジット』は1975年に世界教会協議会(WCC)が社会的に正当な投資を行う目的で設置した『エキュメニカル・開発協力協会』が前身。最初はその効果が疑問視されたが、「『オイコクレジット』の融資は、予測できない不安定なものではなく、貧困軽減に貢献するもの、と投資家に理解されるまでになった。融資希望は今も増加している」という。□

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2006-10-31T00:39:01+09:00