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米聖公会に最初の女性総裁主教誕生

 【CJC=東京】米聖公会第26代総裁主教の認証式が11月4日、ワシントンのナショナル大聖堂で、主教150人を含む3200人が参列して行われた。
 キャサリン・ジェファート・ショリ司祭(52)が、500年にも及ぶ英国国教会(聖公会)の歴史の中で、管区レベルの指導者として初の女性総裁主教に就任した。同司祭は、教会での女性の地位擁護と同性愛者の容認で知られており、その総裁主教選出が教会内に激しい賛否両論を呼ぶことになった。
 さらにジェファート・ショリ総裁主教の、聖書における性の問題理解をめぐって、信徒7700万人の世界聖公会共同体内から批判の声も上がっている。
 米聖公会の中で、少なくとも4教区が、ジェファート・ショリ総裁主教の権威を認めず、他の主教の権威の下に入りたい、と最高指導者であるローワン・ウイリアムズ・カンタベリー大主教に依頼するまでになった。
 ジェファート・ショリ総裁主教は、10分間の説教では同性愛や女性の役割については特に言及しなかったが、ヘブル語の「シャローム」によって示されるような、不和のない状態や、全体感と幸福感を教会に得させない分裂状態を克服するよう訴えた。
 「この教会が最近の決定で傷ついたと感じられるなら、私たちの救い、私たちの体の健全さが危機にさらされおり、修復と全体感を求めることが私たち全ての義務になる」と言う。
 カンタベリー大主教は、ジェファート・ショリ総裁主教選出を受け入れ、10月27日にロンドンの居宅ランベス宮殿で個人的に会見、来年2月にタンザニアで開催される管区代表者会議への出席を要請した。
 ただ南半球の開発途上国では聖公会の教勢が急拡大しているものの、保守色が強く、管区代表の中にはジェファート・ショリ総裁主教との同席を望まない向きもある。それはジェファート・ショリ総裁主教が女性であるからというより、その同性愛についての姿勢や神学を認められないからだと言う。
 現在でも世界聖公会共同体を構成する38管区の中で13には女性司祭が存在しない。

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2006-11-07T02:49:22+09:00