教界ニュース

ニュースを友達にも教える

福音宣教の場を広げるニューメディア

 【CJC=東京】福音を伝えることが、手段という側面で見れば、ますます便利になっている。インターネットなどの新技術は教会や宣教団体にさまざまな道を開いている。教皇のメッセージが携帯電話で流れたり、聖句が毎日聞けるなどの例は知られている。海外の現状をZENIT通信がまとめたので紹介する。
 米宗教出版社ゾンダーバンが9月に「聞く新約聖書」を刊行した。全部聞くには21時間かかるが、吹き込みには250人以上が参加、単なる棒読みではなく、情景が感じ取られるという。AP通信によると、11月半ばには7万部以上売り上げた。旧約編も来年刊行を目指して準備中。
 フィリピン聖書協会は8月にパソコン・ソフト『Eバイブル』を発表した。4種類の英語訳のほかにフィリピンで使われている主要8言語の聖書を見ることができる。
 携帯電話の利用も盛んになっている。米国のメガチャーチの一つ『ハーベスト・クリスチャン・フェローシップ』のグレッグ・ローリー牧師は、説教を短時間のビデオに収録、それを携帯電話に向けて発信しているが、有料の受信者が数千人に達している。
 ワシントン・ポスト紙によると『ソニー・BMG・ミュージック・エンターテインメント』がこの10月、キリスト教音楽制作の『インテグリティ・メディア』と提携、「Mワシップ」を開始したが、祈りの番組も盛り込まれている。
 フィラデルフィア・インクワイアラー紙は、このところ米国では少なくとも4社が携帯電話向けに宗教的な内容を提供している。
 米カトリック教会デンバー教区が始めた『カトリック・モバイル・オブ・デンバー』では利用者が、その日の聖人について知ることが出来るほか、毎日の祈りや、その日のミサで読まれる聖句なども聞ける。
 米国に本拠を置く国際聖書協会の南ア支部では、聖書全巻を携帯電話に取り込めるサービスを始めた。今は英語と現地語アフリカーンズだけだが、ズールー語、コーサ語版も近く提供の予定。その他の言語についても準備中という。
 携帯電話の利用は、キリスト教だけのものではない。ヒンズー教の経典を唱える回数を知ることが出来たり、イスラム教の聖地メッカの方角を知るためのソフトを携帯電話に取り込めるサービスもある。
 説教をインターネットに掲載する例は増加する一方。中には黙想(メディテーション)や聖書朗読を掲出する所も出ている。
 米司教会議のコミュニケーション・キャンペーン・サイトでは、ミサの録音を毎日各自のパソコンなどに取り込めるようにしている。「インターネットは生活の一部となっており、霊的向上の助けになる」とサンフランシスコのジョージ・ニーダラウワー大司教は言う。
 イタリアでは、霊的、倫理的な問題に関する質問に司祭が回答するサイトがある。870人が登録しているが、名前の他に居住地域、所属教区や修道会などについての紹介があり、質問者が回答してほしい司祭を選ぶことが出来る。
 音声だけでなく、ビデオの活用も始まっている。スコットランドの教会ではカメラを設置、礼拝を中継する教会が相当数に上っている。「実験を始めたばかりで、どういう事になるのか、まだ分からない」とグラスゴー大学教会のスチュアート・マッカリー牧師は言う。
 北アイルランド・ベルファストのクロナード修道院(レデンプトール会)は、ミサの祈り(ノベナ・オブ・グレースマス)に多数の信者が詰め掛けるが、インターネットにも掲出したところ好評だったので、今後も継続することにした。

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2006-12-19T02:55:16+09:00