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19世紀に分断されたシナイ写本をネット上に復元

 【ベルリン=ZENIT・CJC】現存する聖書写本としては最古に属するシナイ写本が、2009年までにはインターネット上で復元される。
 各地に分散している写本原本をデジタル的に複製し、それをオンラインで提供してもらい、それをつなぎ合わせて再結合する計画に、シナイ山の正教会ダミアノス大主教、聖カタリナ修道院長が写本を所蔵している3図書館と電子的修復計画に同意、このほどロンドンで調印した。経費は100万ユーロ(約1億5600万円)。ライプチヒ大学図書館のウルリッヒ・ヨハンネス・シュナイダー氏は12月21日、オンライン版聖書が「世界中で容易にアクセス出来る」と語った。
 バチカン写本に次いで古いとされているシナイ写本は紀元350年ごろに製作された。旧新約聖書の最初のギリシャ語訳が含まれている。
 写本は、何世紀もの間、シナイ山の聖カタリナ修道院に保管されていたが、19世紀に散逸してしまった。現在、原本は同修道院と大英図書館、独ライプチヒ大学図書館、サンクトペテルスブルグのロシア国立図書館などが所蔵している。
 聖カタリナ修道院の修道士たちは、ドイツ人神学者のコンスタンチン・フォン・ティッシェンドルフに1844年、写本の43ページ分をライプチヒに持ち帰ることを認めた。59年、フォン・ティッシェンドルフは、シナイ山に戻り、写本の残り部分を発見、それをライプチヒに持って行き、ロシア皇帝に献上するのが最善だ、と修道僧たちを説得した。皇帝がその時の旅行を支援していたからだ。その一部が1933年に大英博物館に売却され、残りがサンクトペテルスブルグで保管されることになった。
 修道院では、写本を全部失ったと考えていたが、1975年に、廃墟となっていた1室から写本の相当部分が見つかった。
 フォン・ティッシェンドルフが写本を戻す、と約束した文書を修道僧たちは保管していた。
という。

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2006-12-29T17:31:19+09:00