【CJC=東京】米国初のイスラム教徒のキース・エリソン下院議員(民主党、ミネソタ州選出)が1月4日、議会の初めに行われる就任式で「公約」通り、イスラム教の聖典コーランを手にナンシー・ペロシ新議長と向き合い宣誓した。米独立宣言の起草者で第3代大統領トマス・ジェファーソン氏が所有していたものを議会図書館から借用した。
コーランは1764年、ロンドンで出版された英訳本で、翌65年ごろ本の収集家として知られたジェファーソン氏が入手したとされるもので1815年に議会図書館に売却されたという。
就任式は、全議員が議場で右手を挙げて宣誓する公の式典と、各議員が個別に行う式典があるが、個別の式典のやり方に規定はなく、これまでもプロテスタントの議員、カトリックの議員はそれぞれの聖書を使用、末日聖徒イエス・キリスト教会信徒議員はモルモン経を使ったという。
ただコーランを宣誓に使うことには、キリスト教の伝統を重視する保守派らが反発していたが建国の父の1人、ジェファソン氏が所有していたコーランを使用したことで、保守派も振り上げた手をどこに降ろすかとまどう格好になった。□