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米キリスト教団体が資金問題で相互批判

 【CJC=東京】米紙ワシントン・ポストによると、米キリスト教協議会(NCC)と『宗教と民主主義研究所』が相手の資金問題で非難合戦を展開している。NCCは主流教派など35教派が加盟しているものの、貧困や平和問題に取り組むなど社会的には進歩的姿勢が目立ち、一方『宗教と民主主義研究所』は、同性愛結婚に反対の動きと連携する、キリスト教保守派の有力シンクタンク。これまでも方針や姿勢を巡り論議が交わされていたが、財務問題が焦点となることはなかった。
 党派色がなく非課税の公益団体と称する点は双方に共通している。
 しかしNCCが社会問題に深く関わっていることは確か。米議会下院が、1月10日に最低賃金引き上げを採択したが、これもNCCが長年にわたり働き掛けていたことの結実とも言える。
 研究所は1981年の設立以来、合同メソジスト教会や長老教会(PCUSA)など主流プロテスタント各派の路線を政治的左翼とし、それに挑戦することを主目的にしている。2003年の公然同性愛者の主教選任以来、独立色を強めている聖公会反主流派とも密接な関係にあるという。
 同研究所が90ページにわたるレポート「奇妙な仲間=米教会協議会と増えつつある非教会加盟団体」を発表した。
 同レポートは、NCCが近年加盟教会からの拠出金減少に直面して、『環境のための全国宗教パートナーシップ』『フォード財団』『シェラ・クラブ」などからの支援金で赤字を埋めている、と指摘する。2005年6月に終わる会計年度では、NCCは世俗的な財団や「非教会」団体から176万ドル(約2億円)を受け取った、と言う。調査担当者ジョン・ロンペリス氏は「言って見れば陰の民主党だ」と記者団に語った。
 これに対しNCC側も、同研究所の資金源はどうなのか、と反論する。ジェームズ・トンコビッチ研究所会長は、年間収入約100万ドル(約1億2000万円)の6割が個人寄付、4割が保守的な財団からのものだ、と語っている。また支援者に関する情報公開がNCCより遅れていることを認めた。
 今回のレポート自体、NCCのボブ・エドガー総幹事が著書「中間の教会」の中で、研究所の支援リストが「現代保守主義の人名録のようだ」と評したことに対抗したものだ、と言う。

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2007-01-23T01:35:21+09:00