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バチカン、中国と関係正常化へ乗り出す

 【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)は1月20日、「中国とさまざまなレベルでの関係正常化を目指す」とする声明を発表した。
 中国政府公認の『中国天主教(カトリック)愛国会』が昨年から、教皇の承認なしに司教3人を任命したことにバチカンは反発、3人や任命式に参加した司教などの破門にまで言及したが、中国側から和解を求める動きも出た模様で、破門措置は取られていない。一方、各地で地下教会弾圧は続いており、中国側のしたたかさに手詰まりだった教皇庁は19、20の両日、国務省長官タルチジオ・ベルトーネ枢機卿が主宰して対策検討会議を開催した。会議には香港の陳日君枢機卿や台湾、マカオの司教も出席した。
 会議の主題は中国の教会が置かれた状況、中国政府との関係。愛国会と地下教会の統合なども話し合われた模様。その結果、中国との関係正常化を打ち出すと共に、中国の信者に向けて教皇ベネディクト十六世が書簡を送るという両面対策となったもの。中国問題を検討する専門の常設委員会を設置し、司教の任命権問題などを扱うという。
 バチカンの対中関係改善の動きはこれまでも度々伝えられていたが、公式声明で態度を明らかにしたことで、中国側の反応が注目される。
 今回の会議を控え、中国側が独自に任命した広州教区司教をバチカンが承認した、と香港英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」などが18日報じている。愛国会の劉柏年副主席は共同通信に、正式には連絡を受けていないとしながらも、承認が事実とすれば「関係改善に有益」と述べた。ただバチカン関係者はポスト紙に対し、1教区の司教任命承認にすぎず、会議開催時期と重なったのも「偶然」と強調している。

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2007-01-23T01:36:29+09:00