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北アイルランド、3月にも自治政府再開か、カトリック系政党が警察組織を承認

 【CJC=東京】英領北アイルランドのカトリック系最大政党、シン・フェイン党は1月28日、アイルランドの首都ダブリンで臨時党大会を開き、北アイルランド警察への協力の是非を問う動議がかけられ、党員約900人による採決の結果、支持する意見が多数を占めた。北アイルランド警察は、これまで「カトリック系住民に差別的だ」などと非難されてきた。
 北アイルランドでは、英統治に反対する少数派のカトリック系と賛成する多数派のプロテスタント系が対立を重ねてきた。シン・フェイン党は、武力闘争を続けていたが2005年に武装解除を表明したアイルランド共和軍(IRA)の政治部門。
 プロテスタント系最大政党の民主統一党(DUP)が同警察の承認を自治をめぐる協議再開の条件として求めていた。シン・フェイン党は、これまで取り締まり対象となってきた経緯などから治安維持制度への支持を留保してきたが、警察を承認したことで、2002年に凍結された自治の3月再開に向けた交渉の進展に期待が高まってきた。
 北アイルランド警察公安部が、プロテスタント過激派によるカトリック系住民らの殺人事件を隠ぺいしていたことが発覚、今回の臨時党大会への影響が懸念されていた。
 採決後、シン・フェイン党のジェリー・アダムズ党首は「歴史的な決定だ」と強調した。一方、同党と敵対するプロテスタント最大政党、民主統一党のイアン・ペイズリー党首は、決定の履行を求めている。
 英国、アイルランドの両国政府は昨年10月、4年間凍結されてきた自治政府の再開の条件として、英政府の指揮する北アイルランド警察が当面、警察権を行使するなどを提示。カトリック、プロテスタント両勢力に対し、受諾しなければ、自治凍結を継続すると通告している。同警察は将来、自治政府の管理下に置かれる。
 3月7日に自治議会選挙が行われ、26日に自治政府が再開される予定。

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2007-02-07T03:02:11+09:00