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『キリストにおける再生教会』教祖夫妻は錬金術ねらいか

 【CJC=東京】カトリックが圧倒的とされるブラジルだが、福音派が急成長、100以上の教派が成立し、信徒総数も2600万人を超え、総人口のほぼ15%を占めるまでになっている。その中でサンパウロにエステヴァン・フェルナンデス氏(52)とソニア(48)夫人が1986年に設立した『キリストにおける再生教会』、祈りとサキソフォンなどを使った礼拝を通じ、富を約束することで青年、貧困層にねらいを定め、現在、ブラジルに1100教会、外国に8教会を設立するまでに急成長した。信徒のほとんどは貧困層だが、中にはサッカーACミラノのカカのような著名人もいる。
 その中で、フェルナンデス夫妻は信者の献金を横領、ダークマネーの洗浄(ロンダリング)などに手を染め、アパート、マンション、別荘、牧場、農園などにも乗りだし、資産は国内に1800万レアル(約10億4000万円)、米国に120万レアル(約6900万円)に膨れ上がっている。
 教祖夫妻が1月9日、サンパウロのグァルーリョス空港から米マイアミ空港に到着した際、米連邦捜査局(FBI)によってドルの不法持ち込みと所持金の不正申告、不正所得金の洗浄などの容疑で逮捕された。夫妻は5万6500ドル(約681万円)の現金を所持していたが、うち3万6500ドルを旅行カバンや聖書の中に隠し持ち、同空港の出入国管理局には許容額の2万ドルと申告していたが、所持品検査で隠していた現金が発覚したもの。
 『キリストにおける再生教会』は当時、シェロックス社のマーケッティング部長をしていたエステヴァンと、高級ブランドの衣類を売っていたその妻ソニアが設立したもの。3年後、同教はサンパウロの中心街カンブシー区に最初の教会を設けたが、その後、急速に教勢が拡大、現在、信者は200万人近くに達している。1990年、同派は最初のラジオ放送局をサンパウロに設置、その後9局を設けたが、いずれもブラジル電信庁(ANATEL)に未登録で営業違反。同教専属のテレビ局もり、福音派としてはブラジルで3番目の勢力。
 福音派急成長の中で、献金を横領するなどの不正も表面化し、同派以外に、少なくとも指導者3人が警察の取り調べを受けている。
 2005年7月には、福音派最大の『神の国普遍教会』の指導者ホアン・バチスタ・ラモス氏が自家用ジェットから1000万リアル(約5億7800万円)を詰め込んだスーツケース7個と一緒に降り立ったところを拘留されたが、事件はなお捜査中。議会へのロビー活動も盛んなことから、ブラジル国内で有罪に持ち込むのは困難と見られる。

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2007-02-14T02:10:24+09:00