【CJC=東京】教皇ベネディクト十六世が典礼改革に関する文書を発表する、との推測がバチカン(ローマ教皇庁)内外で交わされている中で、典礼秘蹟省局長のマルコム・ランジス大司教が、バチカンの内幕を伝える情報誌に、伝統的なラテン語ミサ(トリエント・ミサ)の制限を緩和する教皇文書の可能性について語った。ZENIT通信が報じた。
教皇が「自発的に」(モツ・プロプリオ)文書を発表するとすれば、それは「教会にとって何が最善か」を決めるためのもので、「トリエント・ミサはルフェーヴル大司教の追随者だけのものであるわけではなくカトリック教会のメンバーとしての私たち自身の遺産の一部だ」と言う。マルセル・ルフェーブル司教が創設した聖ピオ十世会では、第二バチカン公会議で進められた改革の多くを否定、特にトリエント・ミサの順守を重視している。
ランジス大司教は、第二バチカン公会議以後の典礼改革が、教会の霊的宣教的革新に関して期待された目的を達成していない、として「教会は空になった」と指摘している。
トリエント・ミサに復帰するのか、それとも改革に止まるのか、との質問に、同大司教は「“二者択一”の態度は不必要に教会を分極化する。配慮と司牧的な関心によらなければならない。教皇が望まれるなら、両方が共存することもありえる。」
『モツ・プロプリオ』が出されるならいつになるか、との質問にランジス大司教は「それを決めるのは教皇だ」と語った。