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番組宣伝か、イエスの墓の所在に新説

 【CJC=東京】米映画監督ジェームズ・キャメロン氏は2月26日、ニューヨークで記者会見を開き、1980年にエルサレム南方郊外にある墓所で発見された10体分の石灰岩の骨壷にイエス、マリア、マタイ、ヨゼフ、マグダラのマリアという名前がアラム語で書かれており6番目の名前として、「イエスの息子、ユダ」が刻まれていたことから、これがイエスとその家族のものである可能性は非常に高いとする調査チームの見解を、公表した。
 さらにイエス、マグダラのマリア、ユダと名付けられた遺体の親子関係がDNA検査で裏付けられたという。しかし墓所の調査を担当したイスラエル考古庁の専門家は、イエスや家族らの名前は当時ありふれており、一緒に見つかっても根拠とはならないとしている。
 映画「タイタニック」で米アカデミー賞監督賞を受賞したキャメロン氏らが製作したドキュメンタリー番組「ロスト・トム・オブ・ジーザス」(仮訳=失われたキリストの墓)が米ディスカバリー・チャンネルで放送されるのを控えてのことだけに、番組宣伝のためではないか、と反発の声も上がっている。
 キャメロン氏は、キリストとその復活に立ち会ったマグダラのマリアの骨が納められていたとみられる骨壷2つを公開した。イスラエル考古庁は、骨壷をニューヨークに送ったことは認めたが、監督らの主張に「賛同したわけではない」としている。
 キリスト教世界では、エルサレム旧市街の聖墳墓教会がイエスの墓所跡としており、棺が発見されたエルサレム南方からは離れている。
 英公営BBC放送も1996年、同じ題材でドキュメンタリー番組を製作している。最初に現場を調査した考古学者は「考古学の基準に裏付けられていない、金もうけ目的の番組」と批判していた。

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2007-03-06T02:46:03+09:00