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アレクシー二世、中国に正教会公認を求める

 【CJC=東京】カトリック系アジア・ニュースによると、ロシア正教会の最高指導者アレクシー二世総主教が、中国政府が正教会を公認せず、聖職者を認めない姿勢を厳しく批判した。
 50周年を迎える中国の正教会には主教どころか司祭もいない。信徒数千人が司牧の復活を待ち望んでいる、と総主教は4月10日、セルゲイ・ヴィクトロヴィッチ・ラブロフ外相主催の夕食会で述べた。総主教が中国正教会の状況について語ったのはこれが2回目。最初は復活祭前の記者会見で、中国の正教会は文化大革命で破壊されたも同然、と語っている。
 モスクワ総主教座他教会部門の報道担当者は、2007年に司祭3人を中国に派遣したこと、復活祭の礼典が北京のロシア大使館内で行われ、300人以上の参列者があった、上海の総領事館での礼典には120人以上が参列した、と述べている。
 これらの集会に多民族の顔が見られたとしても、中国市民はこの種の礼典に参列することは禁じられている。
 皮肉なことに『中国の商都』上海の正教会会堂は建築資産の一つに数えられている。文化大革命最中に接収された同会堂、今では証券取引所になっている。
 礼拝の自由は、台北・モスクワ経済文化協力委員会モスクワ事務所のアンジェラ・シュウ所長と総主教座他教会部門の正教会間関係担当ニコライ・バラショフ大司祭との会談でも討議された。両者は会談が「長時間にわたり建設的」だったと指摘しているが、会談では台湾に居住する正教会キリスト者のための礼拝の場を開設することも検討したという。
 今回の会談が、正教会を公式に認定していない本土政府へのサインだと見る向きもある。中国は仏教、道教、カトリック、プロテスタント、イスラム教を宗教として公認しているが、モスクワ総主教座は、少数派とはいえ正教会を2008年までに公認することを期待している。
 中国正教会は1957年にロシア正教会から完全自立した。ただ1966年から67年に掛けての文化大革命で活動は停止したままだ。それでも中国全土で信者は1万3000人、首都北京に400人いると見られている。
 最後の司祭、アレキサンドル・ドゥ・リフ氏が2003年に80歳で死去して以来、日曜日に集まる司祭も信徒もいない。同司祭は教会がなかったので、指導も私的なものに止まっていた。時に北京のロシア大使館で礼典執行を許されたという。葬儀の際にはモスクワ総主教座はカトリック教会(南堂)の使用許可を得た。

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2007-04-24T02:53:42+09:00