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ロシア正教会、革命で離脱した在外教会と80年ぶり和解

 【CJC=東京】ロシア革命後の1927年、当時の共産主義ソヴィエト政権への対応をめぐる路線対立で米国などに移住したロシア正教会の聖職、信徒がモスクワ総主教座から離脱、在外教会を形成していたが、80年ぶりに総主教座の裁知下に入ることで合意が5月16日成立した。
 モスクワ総主教アレクシー二世とロシア正教会在外教会を率いるニューヨークのラブル府主教がモスクワで会談して合意したもの。
 17日にモスクワの救世主大聖堂で合意書への署名式が行われ、双方の合同礼拝が行われた。式典にはウラジミル・プーチン大統領も立ち合い、「歴史的な出来事」と対立解消を称賛した。
 プーチン大統領は2003年の訪米時、在外教会側に和解を呼びかけるアレクシー二世の意向を伝えたことから、関係修復が一気に進んだ。
 在外教会は今後モスクワ総主教座に属するものの、聖職者任命や財産管理などの自治は維持する。
 署名式と合同礼拝の模様はロシア全土に国営テレビで生中継された。プーチン大統領は国民の支持強化のためか、ロシア正教会を庇護する姿勢を強く打ち出している。
 ロシア正教会は、国内外に1億6000万人の信者を擁しているが、世界約40カ国で50万人の信者を持つ在外教会との和解は、国際的にもロシア正教会の権威を高めることにつながると見られる。
 在外教会は、当初はモスクワ総主教座に属していたが、1927年に当時のロシア正教会最高指導者セルゲイ府主教がソヴィエト政権への忠誠を宣言したことが契機となって関係が断絶した。
 91年のソ連崩壊後も、在外正教会はセルゲイ府主教の宣言取り消しを求め、関係修復は難航していた。

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2007-05-22T00:04:01+09:00