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教皇、ブラジル訪問での発言「修正」

 【CJC=東京】教皇ベネディクト十六世は5月23日、バチカン(ローマ教皇庁)のサンピエトロ広場で水曜恒例の一般接見を行った。
 教皇は9日から14日のブラジル司牧訪問について、即位2年後にようやく多くのカトリック信者が住むブラジルを訪問、第5回ラテンアメリカ・カリブ司教協議会総会の開催を通して同大陸の人々と触れ合うことができたことは大きな喜びだと述べた。
 教皇はラテンアメリカとカリブの信仰の歴史は、1492年のコロンブス上陸前の豊かな伝統とその後のヨーロッパやその他の大陸の影響との対話のうちに築かれた、民間信心、芸術などを含めた生きた歴史そのものであることをこのたびの訪問で改めて知ることができたと述べた。
 その一方で教皇は、1492年のコロンブス到達以降の南米でのキリスト教布教については「影の部分を無視することはできず、特に植民地化を進めた人々が先住民族に与えた苦悩と不正義を忘れることはできない」と述べた。
 教皇は、ブラジル訪問中の13日、司教協議会の演説で「福音を説くことでコロンブス到達前の文化の自主性を奪ったことはなく、外国文化の押しつけでもなかった」とし「先住民は聖職者の到来を歓迎した」と語ったが、「虐殺や奴隷労働の歴史を無視した」と批判を受けたことから、発言を事実上修正した形となった。□

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2007-05-28T22:05:40+09:00