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教会は変わらねばならない、と「解放の神学」者

 【CJC=東京】全世界11億人のカトリック信者のほぼ半数はラテンアメリカ(中南米)各国にいる。そこで正義を実現しようとするなら、教会は、劇的に変化する必要がある、とチリの「解放神学」者パブロ・リカルド氏は言う。同氏は、コスタリカのサンホセにある『エキュメニカル研究所』の所長にこのおほど就任した。
 リカルド氏は、5月13日にアパレシーダで教皇ベネディクト十六世が開会した第5回ラテンアメリカ・カリブ司教協議会に呼応して18日から20日までピンダモニャンガバで開かれた『ラテンアメリカ神学セミナー』で講演した。
 セミナーには、教会改革について議論するためブラジル、ペルー、アルゼンチン、コロンビア、エクアドル、メキシコ、パラグアイなどから200人が参加した。
 毎年、ブラジルでは100万人がカトリック教会から離れる。
 「今日のカトリック教会では、恐れが支配している。教会は、世界から隔離して自身の中にこもってしまった。問題は全て外側にあると思い、自己批判が出来ない」と、リカルド氏。急成長するペンテコステ派や福音派の運動に言及して、「教会はセクトと非難するが、現実には、教会から離れる信者の8割は、教会が何ら語るべきものを持っていないからこそそうするのだ。教会のモデルは変えられる。信者の大多数は今日、世界の北・西にではなく東・南にいることに気づかなければならない。それには真底から西側的な、富裕国で発生した支配的な文化モデルを壊すことが必要だ」と述べた。
 セミナー会場のピンダモニャンガバから司教協議会が行われたアパレシーダに向けて、19日夜間行進が行われたが、セミナー参加者も合流した。
 行進では「強制移住反対」「アマゾンの生活を守れ」「貧乏が世界からなくなるまで、解放の神学は残る」などのプラカードやポスターが掲げられていた。
 教皇ベネディクト十六世は、ヨーゼフ・ラッツィンガー枢機卿として、またバチカン(ローマ教皇庁)教理省長官として、ラテンアメリカで展開した解放の神学を、マルキシストの社会分析に影響された動きとして厳しく批判していたことで知られる。□

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2007-05-28T22:08:35+09:00