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バチカン枢機卿がアムネスティのボイコット呼び掛け

 【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)『正義と平和評議会』議長レナート・ラファエレ・マルティーノ枢機卿は6月1日、米紙『ナショナル・カトリック・レジスター』との電子メール・インタビューで、カトリック関係団体や信徒個人が国際人権保護団体『アムネスティ・インターナショナル』をボイコットするよう呼び掛けた。このインタビューは同紙6月17〜23日号に掲載された。
 アムネスティは1961年にカトリックに改宗したピーター・ベンソン氏によって設立され、カトリック側の広範な支援を受けていた。しかしアムネスティが今年4月に強姦などの特殊な事情の下では妊娠中絶をアムネスティが認めたことは「悪魔の業」であり、人権を擁護していると見て支援してきた信者の信頼を裏切った、と枢機卿は強い調子で非難している。
 アムネスティは、人工妊娠中絶に関する態度を明らかにしていなかったが、強姦や近親相姦による妊娠や、妊娠継続によって母体の命が危うくなる場合の中絶を認めるとの方針を採択したもの。あくまで女性の権利を守るためだという。
 アムネスティのケイト・ギルモア総幹事代行は14日、バチカンから直接援助を受けたことはない、と述べた。ただカトリック教会関連機関が今回の指示を守って、援助を止めれば、財政難に陥ることも予想されるが、支援者は世界に多数おり、教会の指示に従わない例も出て来ると見ている。
 また、アムネスティは各国政府や政治団体、教会、宗教団体などから独立した機関であり、中絶容認方針は、あくまでも女性の保護を目的としたもの、と主張している。

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2007-06-19T23:05:02+09:00