【CJC=東京】英国のトニー・ブレア首相が自身の退任4日前の6月23日、バチカン(ローマ教皇庁)を訪問、教皇ベネディクト十六世と会見した。同首相のバチカン訪問は3回目。現教皇との会見は初めて。
英国国教会に属するブレア首相は退任後にカトリックへの改宗が取りざたされていたが、バチカンの発表によると、会見では中東問題や欧州連合などの問題について話し合ったとされ、改宗については言及されなかった模様。
英紙『タイムズ』などは、キリスト教とイスラム教、およびユダヤ教など、宗教間で対話を目指す同首相が、退任後の活動について教皇に協力を求めるためとしており、改宗に関するものではないと指摘していた。
ブレア氏は97年の首相就任前からカトリック教会のミサに出席しており、4人の子どもは全員、カトリックの洗礼を受けている。ただバチカンが認めない同性愛や中絶、さらには同性愛者間の結合などに関するこれまでの姿勢を明確に転換しないかぎり改宗を認めるべきではない、という声もカトリック教会内部に上がっていた。
英国国教会の大主教を選出する役割を首相は担っており、法的な制約はないものの、カトリック教徒が就いた前例はない。