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世界改革教会連盟がバチカンに質問状

 【ジュネーブ=CJC】世界改革教会連盟(WARC)はセトリ・ニョミ総幹事名で7月10日、バチカン(ローマ教皇庁)キリスト教一致評議会議長のウォルター・カスパー枢機卿に書簡を送り、非カトリック諸教会の状態に関するローマの定義について質問した。バチカンの今回の声明が「第二バチカン公会議前に一般的だった種類の考えや状況に戻す」と言う。
 質問の要旨は次の通り。
 私たちは、教会の教義の一定の局面に関して教理省が作成し、教皇ベネディクト十六世が承認、批准した7月10日の声明を読んだ。私たちは、教会の歴史で今この時にこの種の声明が公表されたことに当惑している。
 世界中で社会が断片化している時、私たち皆が加わっているイエス・キリストの一つなる教会が、共通の証しを強め、キリストにあって私たちが一つであることを確信するべきである。
 7月10日に公表された声明は、『教会憲章=8』の理解に関し、私たちを考えを第二バチカン公会議前に一般的だった種類の考えや状況に戻すものである。私たち双方の対話で育まれて来た信頼関係にとって、これは良くない。
 声明が「これらの教会共同体は、特に聖礼典を執行する司祭制度を欠いているために、感謝の祭儀の秘義がもつ真生で統合的な実体を保持していないので、カトリックの教義によれば、適切な意味で『教会』とは呼べない」としているところが特に問題だ。
 第二バチカン公会議以来、私たちの対話は、何世紀もの間保って来た違いを理解し、打ち勝ち、また共通のキリスト教信仰で大切なものについて合意しようとして来た。特に「教会の共通理解に向けて」と「神の国への共通の証しの聖体としての教会」に関する改革派とカトリックの対話の結果は、違いを克服し、イエス・キリストの教会での同一性を確信する旅に希望を与えて来た。
 今日公表された声明で読み取れるように、ローマ・カトリック教会をイエス・キリストの一つなる教会だとする排他的な主張は、キリストにあって一つであることに向かう私たちキリスト者の召しの精神に反する。それは、ローマ・カトリック教会が改革派や他教派の家族との対話に真剣なのか疑問を生む。私たちが本当にキリスト教一致を祈っているのか疑わせる。
 私たち双方の対話の第3シリーズの結果を発表しようとしている時に、不幸なタイミングだ。
 私たちがイエス・キリストの教会の部分となるよう召されていることが、バチカンの解釈に依存していないことを神に感謝する。それは神の贈り物である。
 この贈り物を受けて、(1991年に発行された「教会の共通理解に向けて」最終報告書で確認されるように)私たちはこの家族の一部分としてローマ・カトリック教会を評価する。
 私たちは、ローマ・カトリック教会が排他主義者としての主張を超え、私たちの主イエス・キリストが祈られたキリスト者一致の動きを促進出来るよう、そのように世が信じるよう(ヨハネによる福音書17・21)に祈る。
 私たちは、キリスト教一致評議会と維持して来た関係を重んじ、この声明発表が意味するものを説明されることを待っている。

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2007-07-20T01:28:07+09:00