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「プロテスタントは『適切な意味では』教会でない」と教皇

 【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)は7月10日、声明「教会についての教義をめぐる質問への回答」を発表、ローマ・カトリック教会の首位性を再確認するとともに、他教派を不完全なものとし、特にプロテスタント共同体などの分かれたキリスト教共同体は、聖職と聖体をめぐって主要な違いが存在するため「適切な意味では」教会でない、とした。
 一連の質問と回答、そして解説文の2部構成の声明は、カトリック教会の本質について、エキュメニカル(教会一致を目指す)対話に関する第二バチカン公会議で定めた教義をめぐる誤った解釈または縮小的解釈を避けることを目的としたという。第二バチカン公会議は教会に関するカトリックの教義を変更してはいない、と指摘している。
 声明は教理省長官のウィリアム・ジョゼフ・レヴェイダ枢機卿が署名、教皇ベネディクト十六世によって承認、批准され、その指示によって公表されたもの。教皇がラッツィンガー枢機卿だった2000年に公表された宣言「ドミヌス・イエスス=イエス・キリストと教会の唯一性と救いの普遍性について」の中に盛り込まれた問題のいくつかを改めて強調している。
 「教会」の定義に関連する議論は2000年に教理省が「姉妹教会」という用語がエキュメニカルな対話の中で誤用されていたと指摘したことに始まっている。声明は、第二バチカン公会議が「教会」という用語を東方正教会系の諸教会に関して使用したと述べている。それらの教会はカトリック教会から切り離されてはいるが、使徒継承、聖職制度、聖体を保持しているからだ、と言う。一方、宗教改革から生まれたきリスト教共同体は聖ペトロにまで遡る使徒継承を享受していないので、「カトリックの教義によると、適切な意味で『教会』と呼ぶことが出来ない」と言う。
 教理省局長アンジェロ・アマト大司教は、この質疑応答から、伝統的な教義と、公会議、そして公会議以降の教義の継続性を確認し、教会の一致と唯一性についていっそう適切な理解を引き出すことができるだろうと述べている。
 レヴェイダ枢機卿は添付書類で、声明が「ドミヌス・イエスス」の教えに対する批判が極限にまで来たことへの応答だ、とし、世界各地の司教に、声明を広く公表するため全力を尽くすよう求めている。

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2007-07-20T01:30:34+09:00