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教皇のラテン語ミサ許容に反応さまざま

 【ローマ=ENI・CJC】教皇ベネディクト十六世が、ラテン語ミサをより広く使用することを認めるとの決定を7月7日公表した。伝統主義者との分裂を修復する可能性を開くものとして歓迎される一方で、教会内に新たな分裂を生じかねない、との批判も招いている。
 「教皇は教会の中の痛みを伴う傷を癒そうとした」と、バチカン(ローマ教皇庁)文化評議会議長のポール・プーパール枢機卿は言う。教皇の決定が、破門された故マルセル・ルフェーブル大司教の支持者との和解を促進するの役立つよう望む、と7日語った。
 ルフェーブル大司教は、第二バチカン公会議(1962〜65)が採択した変革、特に現地語によるミサ執行に反発、独自組織『聖ピオ十世会』を結成して破門された。「教皇の態度がルフェーヴル師の追随者に受け入れられることを願う」とプーパール氏が語った、とローマ紙『レプブリカ』が報じている。
 教皇は、司教に宛てた書簡で「教会の核心部分での内的な和解」を期待する、と述べた。
 『聖ピオ十世会』の第3代総長ベルナール・フレー司教は、ミラノの新聞『コリエーレ・デラセーラ』で、「正しい方向への一歩。歴史的な日だ。ベネディクト十六世に感謝する」と教皇の発表を評価した。
 一方、典礼の専門家ルカ・ブランドリーニ司教は、教皇の指示に涙をこらえたとして、「今日は私には嘆きの日だ。司教であるから教皇に従うが、第二バチカン公会議の最も重要な改革の一つが棚上げされることに悲しみを隠すことができない」と述べた、と同紙は報じている。
 司教への書簡で、教皇は、ラテン語ミサが広く行われることは第二バチカン公会議の権威を損なうという指摘を「根拠がない」と否定した。
 今後、信仰団体は、ラテン語ミサの執行を教区司祭に要求出来る。これまでは司教の承認が必要だった。
 20カ国以上で活動している『私たちが教会』運動は、カトリック教会改革を推進してきたが、今回の決定を「教皇は、第二バチカン公会議と相容れると言ったが、事実上、それに反対している」と声明で指摘した。

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2007-07-24T01:42:34+09:00