教界ニュース

ニュースを友達にも教える

中国カトリック教会が教皇訪問を招請

 【ローマ=ENI・CJC】(ルイジ・サンドリ記)中国政府公認カトリック教会『天主教三自愛国会』の劉柏年副主席(74)は、イタリア紙『ラ・レプブリッカ』のインタビューで7月24日、「特別な挨拶を教皇に送りたいと思う」と、教皇に“世界の最も人口の多い国”を訪問して欲しいと語った。
 劉氏はインタビューで、教皇が中国のカトリック者に宛てて6月に出した書簡を「前向き」と称賛した。「私たち中国人にミサを執行するために、いつか北京で教皇に会えることを強く望んでいる」と言う。
 7月25日、記者団が、北イタリアのドロミテ渓谷近くのベルノに夏の休暇で滞在中の教皇と会見した。劉発言に触れて、記者団が教皇に中国へ行く可能性を問うた。
 教皇は、中国訪問を念頭に置いていないわけではないが問題は「かなり複雑」なので今は話すことが出来ない、と述べた。
 時を同じくして、香港のジョセフ・陳日君枢機卿が教皇を訪問した。イタリア紙の中には教皇の休暇の間にバチカン(ローマ教皇庁)に陳枢機卿が存在したこと自体、教皇が聖座(バチカン)と北京との関係正常化への「具体的な道」について議論しているという「明白なサイン」であると推測したものもあった。
 教皇は6月30日、中国カトリック信者に対して、中国カトリック教会の団結を呼びかける公開書簡を発表し、中国政府に対して「真の宗教の自由」を尊重するようと求めた。
 英字紙『チャイナ・デーリー』は7月26日、台湾との外交関係を持っているバチカンが、本土で司教を任命する最高の権威を中国が教皇に与えることを望んでいる、との劉氏発言を報じた。レプブリカ紙は、劉氏の発言を、同紙の報道に対応して、それを明確にするためのものだ、としている。
 「教皇が訪中して、ミサを執行することを望んでいたが、それは国交正常化の後のこと。司教任命権と国交正常化の二つの問題が適切に解決出来れば、双方が関係強化への環境が整う」と劉氏はチャイナ・デーリー紙に語っている。

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2007-08-07T02:03:40+09:00