教界ニュース

ニュースを友達にも教える

エキュメニカルな対話には異なった方法を、と米枢機卿

 【ニューヨーク=ENI・CJC】キリスト教一致を求めての対話は、米国でも世界的にも非常に貴重なものであることは証明されたが停滞期に入ったかもしれない、とニューヨーク・フォーダム大学の神学者エヴリー・ダレス枢機卿(88=イエズス会士)が語った。
 米国でカトリックと他教派との正式対話が始まって50周年を記念する会議「キリスト者が一つになること」が、教会協議会主催により7月19日から23日までオハイオ州オベリン大学で開かれ、約300人が参加した。同大学は1957年に「信仰と職制」会議が初めて開催された所。この会議から米教会協議会「信仰職制」委員会が生まれた。
 ダレス枢機卿の発言もこの会議で行われたもの。ダレス氏は、カトリックと他教派との対話は、神学的には「収束」として知られている方法を使用した、と言う。ただ「共通の出発点と方法を基盤に、相互の伝統に立つ教義を一致させることを目指してきた」ものの、その「可能性はほとんどなくなった」と指摘する。
 ダレス氏は、神学的教会的に残された障害を乗り越えるには「異なった方法、教会自体の側でより深い変革」を必要とする、と語った。
 ダレス氏は、長老派信徒で教会でも指導的立場にあった故ジョン・フォスター・ダレス国務長官の息子。青年期にカトリックに改宗した。
 ダレス氏は、神学的な「収束」以上の良い考えが、「相互の証しで相互に豊かになるエキュメニズム」と自ら呼ぶものの励みになる、と語った。このアプローチが対話を「それぞれの標準的な持てるものを利用したり、自分たちに特定のものを封じ込めたり、過小評価を抑制しないよう」にする、と信じていると言う。
 「それぞれ独自の主義や手法を恥とするのではなく、他者になお欠けている前向きなものに貢献できる特権があると各パートナーは感じるべきだ」と、ダレス氏は語った。
 2001年、教皇ヨハネ・パウロ二世は、司教ではなかったダレス氏を枢機卿に任命している。
 米カトリック教会は協議会に加盟してはいないが、長らく協議会の「対話パートナー」となっている。

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2007-08-07T02:04:29+09:00