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貧富の差拡大は新しい「奴隷」制、と改革派指導者

 【ポートオブスペイン(トリニダード・トバゴ)=ENI・CJC】(スティーブン・ブラウン記)世界改革教会連盟(WARC)は10月18〜28日に当地で常議員会を開催した。2004年にガーナの首都アクラで開催された総会以来2回目の常議員会。その席上、クリフトン・カークパトリック議長は、経済の地球規模化(グローバリゼーション)の効果を大西洋間の奴隷売買にたとえ、キリスト者が、この現代版「奴隷」制度と戦う必要があると20日語った。「信仰の尊厳の問題として、あらゆる形の奴隷制度に『ノー』と言わなければならない」と言う。
 「英議会が大西洋間の奴隷貿易禁止令を通過させて200回目の記念日に今年は当たるが、その奴隷制度がまだ存在していることを痛いほど意識している」と、カークパトリック議長は語った。
 同氏は、自身属している米長老教会(PCUSA)が、米国の移住農業従事者の権利推進の運動を行い、あらゆる形の人身売買と戦う必要性を強調して来たことを説明した。「しかし、私たちがアクラで確認したように、さらに有害な形の人間の奴隷化が、富者と貧者の間で劇的に深刻化している裂け目をさらに広げる新自由主義的(ネオリベラル)な地球規模化の過程で進められている」と言う。
 同氏は2004年の連盟総会で採択された「アクラ告白」として知られる声明について言及した。改革派の神学では、「告白」は信仰の声明である。
 「アクラ告白」は「私たちは、自らが沈黙のままでいたり、新自由主義的経済の地球規模化という現在のシステムに対しての行動を拒否するなら、私たちの信仰の尊厳が危機にひんしていることだと信じる」と主張する。
 2004年総会の際、代表は、ガーナのエルミナ港にある監禁室を訪問した。そこから数百万人もの奴隷が大西洋間奴隷貿易により輸出されたのだ。「私たちは皆、改革派キリスト者は二度と再び人間の奴隷化と破壊を看過するべきでないという堅い信念を持ってエルミナを出発した」と、カークパトリック氏は言う。
 同氏の声明は、セトリ・ニョミ総幹事による常議員会への報告にも反映した。ガーナ出身の神学者でもある同総幹事は「大西洋間奴隷貿易が廃止されて200年、あらゆる形の隷従と奴隷状態が覆されるまであらゆる手段を尽くすと強く決議することに一致すべきだ」と指摘した。
 ENI通信とのインタビューで、ニョミ氏は、「アクラ告白」が、諸教会とキリスト者が、彼らのライフスタイルと行動が貧困打破に貢献したか、妨げたかを問う必要があることを意味している、と説明した。ただ、連盟加盟教会の中には、「その大部分は地球の北側の教会だが」、地球規模の経済に対する姿勢を「告白」として扱うことに疑念を提示しているところがあることを認めている。これらの教会は、信仰の声明は教義的な問題に限定されるべきだと述べていた。
 同氏は、「答えは非常に簡単。改革派は神の主権を認める…神がこの世の主であり、霊的な分野でも主であることを私たちは分けない。したがって、社会問題に対する私たちの姿勢は主権に関する教義的な主張と一致している」と語った。
(注=世界改革教会連盟は本部ジュネーブ。107国、214教会が加盟、信徒総数は7500万人。日本では日本キリスト教会と在日大韓基督教会が加盟している)

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2007-10-30T03:20:14+09:00