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教皇の「プロトス」を正教会側が神学的に認める

 【CJC=東京】カトリック教会・正教会間神学対話合同国際委員会第10回全体会議最終文書で、ローマ司教(教皇)が、古代のコンスタンチノープル、アレキサンドリア、アンテオケ、エルサレムなど世界の他の総大司教の中で「プロトス」(最初の者)と見なされるものの、その特権については聖書的・神学的観点からなお意見の相違があることが明らかにされた。
 1000年にも及ぶ分裂の修復を目指し国際委員会が設立され、協議を進めて来た。途中6年間の中断の後2006年に再開され、第10回全体会議はイタリア北部のラヴェンナで10月8日より15日まで、「教会の秘跡的本質の教会学的・教会法的帰結」をテーマに討議を行った。
 バチカン放送(日本語電子版)によると、教皇庁キリスト教一致推進評議会議長のウォルター・カスパー枢機卿は、会議が地区・地方教会と共に、普遍の教会の存在を認めていることは特筆すべきこととする一方、ローマ司教の役割については今回触れることなく、未来の考察課題として提示されていることを指摘、対話の道のりはこれからも長く困難であるが、これは最初の重要な一歩である、と述べた。
 東欧圏でカトリック教会が正教会の領域を侵している、との正教会側の主張をバチカンは否定しており、対話への障害の一つに数えられる。
 また正教会モスクワ総主教座の代表イラリオン主教は、正教会内の裁知権の範囲をめぐる対立から、会議の始めに退席しており、最終文書には同総主教座の見解が反映されていない、と指摘している。□

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2007-11-20T01:59:52+09:00