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映画『ライラの冒険=黄金の羅針盤』を米カトリック教会が非難

 【CJC=東京】不可知論者である英作家フィリップ・プルマンのファンタジー小説を映画化した『ライラの冒険 黄金の羅針盤』に対し、米カトリック教会から反宗教的とする抗議の声が上がっている。
 同著は、少女ライラ・ベラクアがユニークな登場人物に出会いながら、“善対悪”の戦いに引き込まれていく様子を描く。悪は「マジステリアム」と呼ばれる教会として描かれている。その信奉者は、英国中から孤児を誘拐し、凍える北の荒れ地で恐ろしい実験をするために服従させている。
 集客対策もあってか、映画では宗教団体に対する批判は抑えられている。クリス・ワイツ監督は英紙『デイリー・テレグラフ』に、「小説ではマジステリアムは、道を踏み外してしまったカトリック教会を意味しているが、それを映画に期待しても叶えられない」と述べている。
 映画では不適切な部分が削除されたものの、『カトリック連盟』から非難の声が上がり、作品を攻撃するチラシが配られている。同連盟は、映画『ダ・ヴィンチ・コード』に対しても抗議運動を展開した。
 米司教協議会は、映画の「反教権的な内容、典型的なオカルト的要素、未婚の母から生まれた子ども、ウイスキーをがぶ飲みするようなクマ」といった部分を非難する一方、「映画という観点だけでは、“善対悪”という伝統的な闘いと権威主義の否定を描いた面白い冒険物語に見える」と評価している。
 (注=日本では同作品は2008年3月1日公開予定)

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2007-12-11T01:35:47+09:00