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クリスマス=衝突終息のベツレヘムに観光客増える

 【CJC=東京】世界各地で12月24日夜から25日にかけ、主イエス・キリストの降誕を祝うクリスマスの礼拝や行事が行われた。降誕の地とされるヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ベツレヘムでは、2000年秋に始まったイスラエルとパレスチナの衝突もほぼ終息、和平交渉の7年ぶりの再開などもあり、クリスマス期間中にベツレヘムを訪れる巡礼や観光客数は前年の倍4〜6万と推定されている。
 中心部のマンガー広場は24日、パレードやコンサートで終日にぎわった。建物はイルミネーションで輝き、ホテルはどこも予約で満杯になった。観光業は前年比60%の伸びを示している。
 ビクトル・バタルセ市長は12月中旬の記者会見で、イスラエルが建設した分離壁などの影響で住民生活は「極めて困難」としながらも、巡礼者や観光客数の回復が「助けになっている」と語った。
 イエスが生まれた馬小屋があったという場所に建てられている聖誕教会に隣接する聖カテリナ教会では25日午前0時、世界中から集まった数千人の信者を前に、ミッシェル・サバー総大司教(ラテン典礼)がアラビア語でミサを行った。総大司教は「神の地である当地が、ある者にとっては命の地であり、別の者にとっては死、排斥、占領、政治的牢獄の地であってはならない」と説教し、「歴史の主たる神の名においてここに集まった者すべてが、この地に命、尊厳、平穏を見いだすことができなければならない」と語りかけた。
 ミサにはパレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長も参列した。アッバス議長はイスラエルのエフド・オルメルト首相との間で和平交渉再開に合意している。
 議長はミサに先立ち、記者団に「パレスチナ人にとって、新年が独立と繁栄の年になることを願う」と語った。
 クリスマスムードの中でも、数十年に及ぶ紛争の歴史は各所に刻み込まれている。分離壁の高いゲートや壁のベツレヘム側に沿って続く金網で囲まれた通路を観光客は見ることになった。
 イスラエル政府の発表によると、今年10月末までにベツレヘムを訪れた観光客は34万人で、レバノン紛争で落ち込んだ昨年の20万人を大きく上回った。1990年代には年間約100万人の観光客でにぎわったが、2001年には第2次インティファーダ(対イスラエル蜂起)が発生して10分の1程度に減少、その後も、低迷が続いていた。

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2008-01-02T02:54:58+09:00