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ブッシュ大統領が中東歴訪、ベツレヘムの聖誕教会を訪問

 【CJC=東京】ジョージ・ブッシュ米大統領は1月9日、中東歴訪を開始し、最初の訪問国であるイスラエルに到着、中東和平実現のための新たな機会を期待していると述べた。
 イスラエルのシモン・ペレス大統領は歓迎の辞の中で、イランや同国と連帯関係を持つイスラム原理主義組織『ハマス』、シーア派武装組織『ヒズボラ』などの狂気を止めるため、ブッシュ大統領に支援をと呼びかけた。
 ブッシュ大統領は聖地(パレスチナ)の和平実現へ向けた新たな機会を期待していると述べた。
 大統領は同日、イスラエルのエフド・オルメルト首相、ペレス大統領と会談し、翌10日、ヨルダン川西岸ラマラでアッバス・パレスチナ自治政府議長と会談した。会談後の共同記者会見で、大統領はパレスチナの領土が一体性を保つ必要があることを指摘した。ただ入植地撤去について具体的な見解は示さず、実質的な成果はなかった。
 大統領はアッバス議長と会談した後、ベツレヘムに移動し、イエス・キリストの生誕地とされる聖誕教会を訪問した。今回の訪問でキリストゆかりの地を訪れることを希望しており、「これほど神聖な場所はない。魂が高揚し、歴史的知見が深まった」とコメントした。
 大統領は10日、和平反対派も含むイスラエル閣僚らとの夕食会でオルメルト首相を絶賛、首相も大統領の「テロとの戦い」に最大級の賛辞を贈った。首相は「テロとの戦い」の大義名分で、イスラム原理主義組織ハマスが支配するガザへの攻撃強化に対するお墨付きと、「パレスチナ国家樹立よりイスラエルの安全保障が優先」との確約を得た格好だ。
 大統領はイスラエルに対し、1967年から続くヨルダン川西岸の占領終結を呼び掛け、1948年のイスラエル建国に伴って発生したパレスチナ難民の問題について、帰還先を将来のパレスチナ国家とする一方、難民に補償を行うための国際的な枠組みを創設すべきだとの考えを示すなど、解決に向け踏み込んだ姿勢は見せた。□

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2008-01-16T01:29:05+09:00