教界ニュース

ニュースを友達にも教える

イエズス会新総長にアドルフォ・ニコラス神父、日本にも長く滞在

 【CJC=東京】カトリック男子修道会『イエズス会』は、1月15日からローマで総会を開き、新総長にアドルフォ・ニコラス神父(71)を選出、教皇ベネディクト十六世に報告した、と19日発表した。
 総会はピーター=ハンス・コルベンバッハ総長(79)が高齢を理由に引退を表明したことを受けて開かれたもの。世界各地からローマに集まった217人の代表が4日間にわたり祈りのうちに投票、2回目にニコラス神父が選出に必要な過半数の票を得たという。
 ニコラス神父は1936年4月29日、スペインのパレンシア生まれ。53年イエズス会入会。マドリードや日本で哲学や神学を学んだ。日本での生活が長く、日本語にも堪能。67年3月東京で司祭に叙階された。71年から上智大学で組織神学を教えるなど日本通。93〜99年日本管区長、2004年から東アジア・オセアニア地区会議議長。
 イエズス会は、112カ国に約2万人の会員がおり、カトリック教会の男子修道会としては最大。主な活動は高等教育と研究活動といった教育活動であり、宣教事業や社会正義事業と並んで活動の三本柱となっている。1534年8月15日、イグナチオ・デ・ロヨラとパリ大学の学友だったフランシスコ・ザビエルら同志6人がパリ・モンマルトルの丘の中腹の諸殉教者聖堂に集まった日が創立日とされている。清貧・貞潔の誓いとともに「エルサレムへの巡礼と同地での奉仕、それが不可能なら教皇の望むところへどこでもゆく」という誓いを立てるなどしたが、教皇への服従を唱えながらも、イグナチオと初期の会員たちは当時のカトリック教会には改革と刷新の必要があることを理解し、カトリック教会の内部に目を向けることの重要性を認識しており、教会にはびこる汚職、不正、霊的倦怠を激しく批判、教皇や教会の高位聖職者たちと対立することもあった。
 日本では、1908年の再来日以来、広島教区や東京の麹町教会(聖イグナチオ教会)における司牧を担当、上智大学、エリザベト音楽大学、六甲学院中学校・高等学校、栄光学園中学校・高等学校などで教育活動に従事している。

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2008-01-24T01:37:43+09:00