※25日以降の経過は入着次第、速報の予定です。
【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)国務長官タルチジオ・ベルトーネ枢機卿は2月20日、キューバを公式訪問した。同日夜、ハバナ国際空港に到着したベルトーネ枢機卿は、フィリペ・ペレス・ロケ外相をはじめとする政府要人や教会関係者らに迎えられた。
バチカンで教皇に次ぐ地位にある国務長官の訪問はキューバ政府の招待によるもので、前教皇ヨハネ・パウロ二世のキューバ司牧訪問10周年に合わせた記念式典出席が目的。
キューバのペレス外相は13日の記者会見で、「今回の訪問は米ブッシュ政権下で経済制裁が悪化している中で行われる」と述べ、ヨハネ・パウロ2世が10年前の訪問時に制裁を非難したことに触れた。キューバ側には、今回の訪問を米国を含む対外関係改善の足がかりにしたい思惑もあるようだ。
長官は24日にキューバ東部グアンタナモで記念式典に出席するほか、26日までの滞在中、ハバナで司教団、聖職者、神学生、修道者らと会見、サンタ・クララ、サンティアゴ・デ・クーバでも教会関係者らと交流、教皇からのメッセージと祝福を伝える。
キューバ新指導部が選出される翌日の25日、フィデル・カストロ国家評議会議長の後継就任が確実視されているラウル・カストロ国家評議会第1副議長と会談する。キューバにとっては「カトリック教会を重んじる姿勢」を示す狙いがあるのではないか、と見られている。
長官はジェノバ大司教であった2005年10月、キューバを訪問し、カストロ国家評議会議長と会見している。
長官は出発前のインタビューで、「キューバの教会、そして政府関係者を含むすべての同国国民のため、複雑な現実の中に前向きな発展があるように祈りたい」と話し、この訪問が実り多いものとなるよう希望を述べた。□