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米プロテスタントがヒスパニック系移民の急増で過半数割れ目前

 【CJC=東京】米国民の約8割を占めるキリスト者のうち、白人信者を中心に多数派を維持してきたプロテスタントの比率が過半数割れ目前にまで下がったことが、『米宗教概観調査』2008年版で明らかになった。
 改宗だけでなく、信仰そのものを捨てる人が増え、カトリックの多い中南米のヒスパニック系移民の急増により、プロテスタントの割合が相対的に低下したことになる。
 『宗教と国民生活に関するピュー・フォーラム』が2007年5〜8月、18歳以上の米国人約3万5000人に聞き取り調査し、2月25日に発表した。それによると、キリスト者(78・4%)の中でプロテスタントは51・3%。1960年代には約3分の2を占めていた。
 同団体のジョン・グリーン上級研究員は、プロテスタントの縮小が、米国の文化や政治にも影響を及ぼすと予測する。市民生活における価値観や制度の多くが、プロテスタント思想に立脚したものだというのが、その理由だ。
 ルイス・ルゴ理事長は、プロテスタントの減少の要因は米国における「移民の増加」にあるとみており、「プロテスタントが減っているのではなく、中南米系のカトリックが増え続けているからだ」と説明する。中南米系人口は2050年までに3倍になり、白人は少数派になると見ている。「米国内の宗教地図はカトリック寄りに変わりつつある」と言う。
 一方、無宗教は、無神論者のほか「宗教は自分にとって重要だが教義には従っていない」と回答した人も含まれ、回答者の16・1%となった。福音派プロテスタント(51・3%)、カトリック(23・9%)、主流プロテスタント(18・1%)に次いで第4位。なお増加傾向にあるという。□

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2008-03-18T01:06:44+09:00