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オバマ候補、人種問題で問題発言の牧師と一線

 【CJC=東京】米大統領選の民主党指名争いで、バラク・オバマ上院議員(46)は3月18日、ペンシルベニア州フィラデルフィアの国立憲法センターで、人種問題に関する演説を行った。オバマ氏が人種差別について踏み込んだ発言をしたのは初めて。
 オバマ氏自身が通うシカゴのトリニティー合同キリスト教会の黒人牧師、ジェレミア・ライト・ジュニア氏(66)が説教で、同時多発テロは米国が自ら招いたと述べ、白人を敵視する説教を繰り返していたことをメディアが大きく取り上げたことから、保守派を中心に反発を招き、オバマ氏は14日、同牧師の問題発言を非難したが、CBSテレビが16、17日に実施した最新の世論調査では、無党派層の3分の1がオバマ氏への信頼度が低下したと答えたことが明らかとなった。
 このことで、オバマ氏の「人種を越える」との訴えが冷めたものとなり、ライバルのヒラリー・クリントン上院議員との指名争いで有権者が敬遠する恐れも出て来たことから事態の収拾を図ったもの。
 オバマ氏は演説で、こうした発言を受け入れない姿勢を明言、自身がケニア出身で黒人の父と、カンザス州出身で白人の母を持ち、米国人として育った点を強調した。
 牧師の発言については、「米国の差別問題は解消できない」と考える古い世代の考え方だと指摘。「人種問題の古傷を乗り越える時が来た」と述べた。ただ米国には人種差別が依然存在するとして、「米国はこれ以上人種問題を無視できない」と明言。法的には平等でも、実際には賃金や雇用面で格差があると指摘した。
 牧師はオバマ氏の結婚式や娘2人の洗礼式を執り行うなど、同氏と家族的な付き合いをしている。同氏の著書「合衆国再生=大いなる希望を抱いて」の題名も、同牧師の説教から取ったもの。□

キリスト教界検索キリスト教界ニュース Last Update : 2008-04-01T01:10:14+09:00