教皇、避妊反対の姿勢を改めて明示
発信 : 2008年10月13日 (月) 00:19
【CJC=東京】教皇ベネディクト十六世は10月3日、ローマで開かれていた結婚と家庭に関する国際会議の参加者に宛てた書簡で、避妊が神からの贈り物を受けるための夫婦間の愛を否定することを意味すると述べ、避妊反対の姿勢をあらためて明らかにした。
1968年に当時の教皇パウロ六世が全司教に宛てて避妊反対の回勅「フマーネ・ヴィテ」を出してから今年は40年目にあたる。パウロ六世は、信者の既婚男女が生活困難にある場合、受胎可能期に性的関係を避ける避妊法は認められるとの見解を示したもの。
この7月には英、米、仏、加、ブラジルなどのカトリック団体60以上が、教会の産児制限反対は、女性の生命を危うくし、数百万人をエイズ(後天性免疫不全症候群)感染の危険にさらすとして、教皇に姿勢変更を求める公開書簡を発表していた。
パウロ六世が避妊反対の立場を明らかにした当時、ピル(経口避妊薬)の普及により性の自由が拡大しつつあった。
回勅が示された結果、全世界で11億人とされるカトリック者の中から数百万人が教会を去ったと言われ、聖職者にも、教皇が決定した絶対の真理と位置づけられるこの文書の扱いについて困惑が見られた。