英国国教会、チャールズ・ダーウィンに謝罪

発信 : 2008年09月22日 (月) 01:08

 【CJC=東京】英国国教会は9月15日、著書「種の起源」によって進化論を主張した自然科学者チャールズ・ダーウィンに対し、当時の対応は、17世紀にガリレオの天動説に対して犯した錯誤を繰り返した感情的な反発で、過剰防衛的なものだった、と公式サイト上で謝罪した。
 ただダーウィンの玄孫(やしゃご)にあたるアンドリュー・ダーウィン氏は、126年ぶりの謝罪を「まったく無意味」と決め付けている。「約200年たってから謝罪する理由が分からない。過ちを正すというのではなく、謝罪することで気分を軽くしたいだけでは...」と批判的。
 ダーウィン自身はウエストミンスター聖堂に埋葬された。「それ自体が謝罪とも受け取れる」とひ孫にあたるホレス・バーロー氏はコメントしている。
 米国ではキリスト教保守派を中心に創造説を支持する動きも強く、州によっては公立学校で教えることを認めている。英国でも、王立協会に所属する生物学者で聖職者のマイケル・ライス教授が、創造説を「一つの正当な世界観」として学校の科学の授業で扱うべきだと発言し、大きな波紋を呼んだ。
 公式サイトに掲載された謝罪文は宣教・公共関係部門の責任者マルコム・ブラウン牧師によるもので要旨次の通り。
 「チャールズ・ダーウィンへ。あなたの生誕から約200年を経た今、英国国教会はあなたの考えを誤解し、最初の対応を誤ったために、今もなお偏見が消えない状況を生みだしたことを謝罪する」。
 「進化論に反対することが今でもなお、キリスト教にとって『信仰のリトマス試験』になっていることがある。それは、キリスト教への脅威に対する恐怖によることが多い」。