バチカンが「種の起源」から150年迎え進化論会議へ

発信 : 2008年09月22日 (月) 01:08

 【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)は9月15日、チャールズ・ダーウィンの「種の起源」出版150周年を迎える2009年3月3〜7日に、進化論に関する会議をバチカンで開催する、と発表した。
 教皇庁文化評議会議長ジャンフランコ・ラヴァージ大司教は、記者会見で「進化論と聖書のメッセージの間に相反するところはまったくない」との見解を示し、教皇ベネディクト十六世や最近の先任教皇が進化論に興味を示していることを明らかにした。
 さまざまな分野の科学者や哲学者、カトリック・プロテスタントの神学者を招待して、進化論に関する会議を開催するという。キリスト教原理主義者の間では、人類誕生について聖書の記述を文字通り解釈するという天地創造説が支持を広げている中での動きとして注目される。
 会議は、ローマの教皇庁立グレゴリアン大学と米ノートルダム大学が共催する。グレゴリアン大学のマルク・ルクレルク教授は、「信仰や創造主である神と相反するのは学説としての進化論ではない。それは、真実を説明する唯一の方法ではないということ」と説明する。
 同教授は、特に米国のキリスト教原理主義によって支持され、学校教育で進化論の変わりに教えられられる「インテリジェント・デザイン」説とは一線を画しており、人類の誕生に関して、神の手によるという説と進化論的な説明は、二つの異なる次元にあるもの、との立場に立っている。