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「血の涙」を流すマリア像 - 調査行われるも原因掴めず 伊

 【AP】イタリアはチビタベッキアにある「血の涙」を流すマリア像(写真)が正式に調査された結果、現在の科学では説明できない現象であるという結論が報告されたとのこと。イタリアの有力紙コリエレ・デラ・セラが伝えたところによれば、今回の調査はチビタベッキア司教区の依頼を受けて行われたもので、調査には歴史家や神学者、医師らが参加し、あらゆる自然現象などの可能性が考慮され、様々な角度から検証する形で調査が行われたという。そしてその結果をコリエレ紙は次のように伝えている。「調査の結果、調査団は全員一致の見解として、これら血の涙が現在の科学では説明出来ない超常現象であることを認めた。」また今回の記事は現ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の著書「Crossing the Threshold of Hope(1994年 / 邦題:希望の扉を開く)」の編集も行ったヴィットリオ・メッソーリ氏によって書かれている。
 チビタベッキアはローマの北65kmに位置している小さな港町である。10年前、同町に置かれた教会のマリア像が血の涙を流し始めたという報告がなされ、世界中の注目を浴びた。高さ43cm程のマリアを形どった石像は、その後計14回に渡って血の涙を流したという。町の僧侶モンシニョール・グロラモ・グリロ氏もマリア像がその手の中で血の涙を流したという事例を報告している。
 「我々はこの現象が奇蹟であるなどと宣言したことはありません。しかし事実は、彼ら(調査団)が結論したとおりです。」もともと現象に対して否定的であったグリロ氏は今回の調査報告を受け、そう語っている。また今回の件に関し、バチカン本部やチビタベッキア司教区から正式なコメントは得られていないが、記事はバチカングレゴリアン大学の聖母研究者、ステファノ・デ・フィオレ氏の言葉を引用し「それは神の御業である」と締めくくられている。
 また調査ではマリア像の流す血は人間の男性のものであることが判明しているが、X線断層写真を撮影した結果、眼窩には涙が流れ出るべき穴や、内部装置などは発見されていない。
 またこうしたマリア像や聖人の像が血の涙を流す現象は、これまで世界中で数限りなく報告されているが、それら現象の解明はいまだなされていない。

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