みんなのキリスト教ニュース - 「隠れキリシタンの反逆精神を追究」 仏記者、平戸・生月島で取材 母国でテレビ放映へ

logo


1
 「隠れキリシタン信者の勇気や忍耐力と反逆精神を追究したい」。フランス人フリージャーナリストのギヨム・ロアレさん(30)が年末年始にかけ、平戸市生月町(生月島)で、江戸時代のキリスト教禁教下でひそかに守り続けられた隠れキリシタン信仰をテーマにテレビカメラマンとともに取材した。取材内容は30分のドキュメンタリー番組にまとめられ、10月にフランス国営放送で放映される。

 フランス南部の港町マルセイユ出身で、パリを拠点に取材活動をしているロアレさんはソルボンヌ大学でキリスト教の歴史を専攻。在学中の21歳のときに訪れた日本に魅せられ、パリの語学専門学校・東洋文化学院で日本語と日本文化を学んだ。

 遠藤周作の小説「沈黙」を読み、隠れキリシタンの存在を知った。一昨年、日本のレストランを紹介するフランス向けのガイドブック作製取材で来日した際、生月島にも立ち寄り、信者たちが年に10回ほどの宗教行事で、ラテン語で「祈り」を意味する言葉「オラショ」を唱えるなど400年以上も脈々と息づく隠れキリシタン信仰の一端に触れた。

 帰国後、日仏記者会が主催するロベール・ギラン賞に「生月島の隠れキリシタン」の取材企画で応募し、同賞を見事受賞。副賞として渡航費用が贈られ、現地取材の夢が実現した。

 昨年12月中旬から、生月島に滞在、隠れキリシタンの殉教地と伝えられる同町堺目地区の焼山御堂(やきやまおどう)でクリスマス行事「御(お)産待ち」を取材。定置網漁の漁船に乗り、信者が聖水を取りに行く殉教地の中江ノ島を間近で見ることもできた。生月島や中江ノ島は、世界遺産暫定リスト入りした「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の構成資産候補の一つで「信者の皆さんはとても親しみやすく、素晴らしい宝物を目の当たりにした」とほほ笑んだ。

=2009/01/06付 西日本新聞朝刊=


コメント 推薦者 関連リンク



Powered By Pligg            | サイトポリシー | サイト運営者情報 | お問い合わせ |            キリスト教の検索 なら「 KIRISUTO.INFO