みんなのキリスト教ニュース - トルストイ没後100年記念展:トルストイの聖書展示--倉敷・旧野崎家
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トルストイ没後100年記念展:トルストイの聖書展示--倉敷・旧野崎家
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5142 日 前
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「戦争と平和」で知られるロシアの作家トルストイ(1828~1910)と交友があった小西増太郎(1861~1939)の遺品を中心とする「トルストイ没後100年記念展」が、倉敷市児島味野1の旧野崎家住宅(国重文)で始まった。12月5日まで。
小西は岡山市出身で、「まあ何と申しましょうか」の名調子で知られた野球解説者、故小西徳郎氏の父親。塩田王と呼ばれた野崎家3代当主・武吉郎の秘書を務めた。1885年に武吉郎の援助でロシアに留学。モスクワ大学在学中にトルストイと出会い、老子をロシアに紹介するため協力してロシア語訳に取り組むなど親交を深めた。93年に帰国後、トルストイの作品翻訳やロシア文学を紹介し、武吉郎の指示で台湾での塩田開発に携わったり、京都大や同志社大でロシア語や文学の講師となり、近衛文麿らに教えた。1910年に再度渡露し、トルストイが亡くなる直前に面会、葬儀にも参列した。また、トルストイの三女アレキサンドラが29年に来日、31年に米国に亡命するまでの間、岩波書店創業者の岩波茂雄らとともに世話をしている。
小西の紹介で徳富蘇峰がトルストイと面会した際、「聖書がほしい」などと書いた小西の紹介状を持参。トルストイは蘇峰が帰国後、「小西に」とポケットサイズの聖書を蘇峰に送った。同展では、トルストイの聖書を中心に展示。トルストイは色鉛筆で最も重要な部分は赤の線、重要なところには青い線を入れ、「読む必要がない」としたところは黒く塗りつぶしている。
野崎家のコレクションから、トルストイの影響を受けた日本人として有島武郎や島崎藤村、倉田百三、堺利彦らの著作や翻訳本などを紹介。有島の「カインの末裔」など貴重な初版本が並んでいる。
入館料は高校生以上500円、小・中学生300円。小・中・高校生は土曜、日曜祝日無料。月曜休館。問い合わせは同住宅(086・472・2001)。【小林一彦】
毎日新聞 10月23日朝刊
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