みんなのキリスト教ニュース - タイに新たなロシア正教会が建立

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タイのフアヒン市にロシア正教会が建てられることが決まった。完成すれば、この教会はタイでモスクワ総主教座に所属する7番目のものとなる。タイでロシア正教会が布教を開始して15年という長さを考えれば、この数は決して少ないものではない。新たな教会は1918年、ボリシェビキらによって銃殺されたロシア帝国最後の皇帝ニコライ2世を記念しているが、現段階では出来上がっているのは、まだ設計図に過ぎない。建立にはモスクワおよび全ルーシの総主教キリルが祝福を与えた。起工式はオレグ・チェレパニン掌院は、今年中にも行われるとして、次のように語っている。
「12月にバンコクに建立されるニコライ寺院の起工式に、モスクワ主教座から誰かが代表としてが赴きます。私たちとしては、主教もこの清めの式に参列してほしいと思っています。これはとても象徴的なものとなるでしょう。というのも今年はロマノフ王朝が開かれて400年という記念すべき年だからです。私たちの新たな教会はそのロマノフ王朝の最後の皇帝一家を讃えて作られます。」

新しい教会の建設には、今までに作られたものと同様、現地のタイ人たちがかかわる。これはタイの法律で決められているからだ。建設作業に幾度も携わっているタイ人の労働集団が作業を行うが、彼らは休むということを知らないようだ。この労働者らはつい先日、ほかの教会の建築を終えたばかりだが、もう次のプロジェクトに取り掛かっている。

タイにあるモスクワ総主教座管轄の6つの教会はすべて、いつも信者であふれかえっている。いずれも大きなリゾート地にあり、そうした場所には旧ソ連の共和国から来た多くの観光客でにぎわっている。またタイ人らも正教会に大きな関心を寄せている。ここ数年でタイ人のなかにも正教会の信徒となるものが数十人ほど現れている。この数は一見少ないかに思われるかもしれないが、正教徒になるにはおよそ半年間にわたる入念な準備作業が行われるため、そう簡単には進まない。これについてオレグ・チェレパニン掌院は、さらに次のように語っている。

「仏教はほかの宗教とは異なり、その世界観にキリストを、もうひとりの仏陀の現れとして受け入れる素地があります。ですからタイ人がこうした考えを持ってロシア正教会に来るのであれば、こうした者たちに洗礼を施すわけには行きません。私たちはキリスト教の基本を説明します。そうした人たちの多くにはキリストの信仰が特別なものであることや、キリストの「私は道であり、真実であり、命である」という言葉が理解できないのです。なぜなら子どもの頃からタイ人たちは、あらゆる宗教は似ており、どんなものも善を教えるものであり、どんな宗教も目指しているのは同じ道ではあるものの、そこにいたる方法が異なるだけだといわれてきているからです。ただし私たちの原則的な立場では正教にやってくるものに対し、決して圧力をかけません。彼らは正教を学ぶ可能性を手にしています。教会での礼拝はタイ語で行われていますから、仏教徒であろうと教会に通うことができ、自分の選択を行えるのです。」

そうしたタイ人のなかで最初に正教徒となったひとりにダナイ・ヴァンナ氏がいる。こんにち、ヴァンナ氏はダニイラ司祭として知られている人物だ。ダニイラ司祭は数年前ロシアの神学校を卒業し、タイに戻ってきた。現在モスクワ、サンクト・ペテルブルグでは総勢6人のタイ人学生が学んでいる。彼らはタイ本国に戻ると、聖職者の位を得、フアヒン市に出来上がる聖皇帝受難者記念教会でお勤めを始める。いまのところ、新たな7番目の教会はタイにおけるロシア正教布教15周年を記念した、一種の贈り物となる計画だ。その15周年は2014年秋に祝われる。

The Voice of Russia 2013年8月6日


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