みんなのキリスト教ニュース - 教皇、ナチス時代の「ピオ十二世」列聖に慎重

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 【CJC=東京】第二次大戦中、ナチスのホロコースト(ユダヤ人虐殺)に対し沈黙を守ったとしてユダヤ人団体から批判されている、当時の教皇ピオ十二世の列福を承認するか否かについて、現教皇ベネディクト十六世が二の足を踏んでいる、とAFP通信が報じた。
 教皇は、10月5日からローマで開催した世界司教会議(シノドス)で、ピオ十二世を擁護するとともに、近々列福したいとの意向も示したことから、出席したユダヤ教の大ラビ、シェアー=ヤシュフ・コーエン氏は、聖書についてユダヤ教の理解を語った後、予定していなかったホロコーストに触れている。
 ラビは「多くの人が、偉大な宗教指導者を含め、わたしたちの仲間を救おうとして声をあげることをせず、沈黙を守り、極秘裏に手を差し伸べる道を選んだ、という悲しく苦しい事実を忘れることは出来ない。わたしたちはそれを許せず、また忘れることは出来ない。あなたがたが、欧州でつい昨日に起きたことに対するわたしたちの痛み、わたしたちの悲しみを理解することを望む」と、教皇始め、枢機卿、司教ら253人の参加者を前にして語った。
 ピオ十二世の列聖を申請したピーター・ガンペル神父が18日に伊ANSA通信に語ったところによると、列福の前段階である列福調査は5月8日には終了しているが、教皇は「ユダヤ人との関係を考慮」して手続き書類に署名をしていないという。
 AFP通信によると、エルサレムのホロコースト記念館『ヤド・バシェム』に展示されているピオ十二世の顔写真には、「ピオ十二世はホロコーストに抗議しなかった」と非難する説明がある。神父はこれについて「歴史の明らかな改ざんだ」として、「教皇はできる限り早期のイスラエル訪問を希望しているが、このキャプションが外されない限りは実現しないだろう」と語った。
 教皇庁は、このキャプションは、教皇がイスラエル訪問を検討するか否かを決定する材料にはならないとの声明を出した、とAFP通信が報じている。


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