みんなのキリスト教ニュース - 大震災機にキリスト教研究 中国人留学生が神学博士号

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 関西学院大大学院神学研究科(西宮市)の研究員で、中国人留学生の徐亦猛(じょ・いもん)さん(35)=神戸市=が16日、学位記授与式で神学博士号の学位を授与される。キリスト教研究を志したのは、来日直後に経験した阪神・淡路大震災がきっかけ。今後は牧師、研究者として日中交流に取り組む徐さんは「震災がなければ日本にとどまらなかったかも。支えてくれた人たちに感謝したい」と誓いを新たにしている。

 同大によると、神学博士号の取得は15人目。外国人留学生では初めてで、「全国的にも珍しいのでは」という。

 徐さんは日本の大学に進学するため、1994年11月に来日。神戸市長田区の文化住宅2階に住んでいたが、震災で1階が崩れ、窓を破って脱出した。亡くなった住民もおり、建物はまもなく炎に包まれた。

 暗闇の中で持ち出せたのは、たまたま日本語学校でもらった1冊の聖書。当初は経済学などを志望していたが、壮絶な体験に「神様が特別に生かしてくれたのでは」と思い、キリスト教を学ぶことを決意した。

 来日したころは、言葉の壁や物価の高さで日本に良い印象を持たなかった。しかし、被災後の約1カ月間、避難所となった神戸市役所で周囲の日本人が気遣ってくれるのを感じ、「日本人の助け合いの精神に接し、好きになった」という。

 その後、聖和大を経て関学大大学院に進学。中国のキリスト教土着運動についての論文を書き上げ、今年2月に博士号取得が認められた。

 今後は神戸市中央区の教会「神戸基督教改革宗長老会」で牧師を務めながら、社会運動家の賀川豊彦を研究するといい、「中国と日本の学問的交流の懸け橋になりたい」と張り切っている。

(切貫滋巨)

(神戸新聞 2010/03/16 11:12)


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