みんなのキリスト教ニュース - 「子どもには伝統的な名前を」ベネディクト16世が斬新すぎる名前をつけたがる両親たちに苦言

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「ヤハウェは慈悲深い」という意味で洗礼者ヨハネや使徒ヨハネと同名の「John」や、聖母マリアと同名の「Mary」、その夫ヨセフと同名の「Joseph」をはじめ、ヨーロッパや旧植民地で一般的な名前の多くは、聖書の中に登場したり、同名の聖人・殉教者などが存在するキリスト教・ユダヤ教の伝統的な名前だったりします。「マシュー」や「ルーク」「ジュード」と聞いてもピンと来なくても、「マタイ」「ルカ」「ユダ」と聞くと「宗教っぽい」と感じる人も多いのではないでしょうか。

特にカトリックにとっては伝統的な名前を持つことは重要で、司祭は「不適切な名前」の子どもの洗礼を拒否することもできるそうですが、最近では子どもに斬新な名前を付けるセレブなどの影響を受けてか、伝統的な名前が減ってきているとローマ教皇ベネディクト16世が嘆いています。

詳細は以下から。

Pope makes a plea to parents to give their children traditional names | Mail Online
http://www.dailymail.co.uk/news/article-1345824/Pope-makes-plea-parents-children-traditional-names.html

もちろん宗教的な意味とは関係なく「家族の伝統だから」「響きが好きだから」といった理由で伝統的な名前を選ぶ両親も多いかもしれませんが、キリスト教社会、特に幼児洗礼を行う宗派にとっては「子どもに名前をつける」ということは「教会のメンバーとして子どもを受け入れる」ということでもあり、名前と信仰は切っても切り離せない関係。洗礼名をつけるという意味の「christen」は一般的な「名前をつける」という意味でも使われ、洗礼式の代父母という意味の「Godfather」「Godmother」は一般的な「名付け親」という意味でも使われています。

ローマ教皇ベネディクト16世は、先日ヴァチカンで行われた洗礼式において「キリスト教徒の名前は一生消えることのない聖霊からの印であり、家族生活を守るものです。強い名前で受洗することは、教会を通じて得られる豊かな精神生活の始まりです。その伝統的な名前がいま、危機に瀕しています」と述べています。

日本でも有名人の名前や、その子どもの名前に影響を受ける両親は多いかもしれません。キリスト教圏でも子どもを名付ける際リアム・ギャラガーの息子「Lennon」やグウィネス・パルトローとコールドプレイのクリス・マーティンの娘「Apple」といった名前に影響される人も多いようです。

デビッド・ベッカムとヴィクトリア・ベッカム夫妻の3人の息子は長男から順に「Brooklyn」「Romeo」「Cruz」。このうちラテン語で「ローマへの巡礼」を意味する「Romeo」はベネディクト16世も気に入りそうですが、地名である「Brooklyn」やトム・クルーズが由来と言われる「Cruz」(Cruiseのスペイン表記)はちょっと厳しいかもしれません。

トム・クルーズとケイティ・ホームズの娘「Suri」は、ヘブライ語で「姫」ペルシャ語で「赤いバラ」という意味とのこと。ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの娘「Shiloh」も珍しい名前ですが、ヘブライ語で「主の贈り物」あるいは「派遣された者」といった意味があると言われ、聖書には救世主を指して登場するほか、イスラエルの古代都市の名前でもある「宗教的な名前」と言えます。

司祭は洗礼式の際、一般的に名前として認識されている以外の名前や「不適切な名前」と判断した場合、子どもの洗礼を拒否することができるそうです。このルールが適用されるのはごく珍しいことのようですが、最近ではジェノヴァの夫婦の子どもが「金曜」という意味の「Venerdi」という名前で洗礼を拒否されたという例があるそうです。

また、デンマークやスペイン、ドイツ、ポルトガル、アルゼンチンなどの国では、登録できる名前のリストがあらかじめ用意されていて、子どもの両親はそのリストから名前を選ぶそうです。ちなみにポルトガルでは「Lolita」「Mona Lisa」そして「Maradona」といった名前が禁止されているとのこと。


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