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「小さな勇気が自殺防ぐ」 藤藪さん講演
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5029 日 前
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NPO白浜レスキューネットワークの藤藪庸一理事長(38)は12 日、和歌山県田辺市新庄町のビッグ・ユーで「今、社会に必要なもの―自殺の現場から見えてきたもの」と題して講演した。投身自殺者の多い三段壁の巡回や保護した人の社会復帰支援などをしている藤藪さんは「関わりを持つことが大切。小さな勇気が自殺志願者を救うきっかけになる」と話した。
田辺市ボランティア活動支援事業。やおき福祉会が主催し、約80人が聴講した。
白浜バプテストキリスト教会の牧師を務める藤藪さんは現在、保護した10人とともに同教会で生活し、社会復帰を支援している。
「仕事さえあれば立ち直れると思うかもしれないがそれは間違い。心の傷を放置してしまうと、自立に失敗する」と指摘。「自殺の問題は、その人の個人的な問題だけでなく、家族や友人との人間関係などその人の『生きてきた背景』も大きく影響を与える」と説き、子どもと無理心中を図った若い母親を立ち直らせた例を挙げながら「特に幼少期にたくさんの愛情を注ぐことが大切」と訴えた。
現代は収入さえあれば、周囲と関わりがなくても生きていける時代。逆に言えば、経済的なつまずきがそのまま社会的な孤立へとつながってしまう。周りの人と関わりながら生きることの重要さを強調した。
また、自殺の根本原因を解決するには、地域、家庭、学校が一体となった教育が肝心と説明し、「夢や目標に向かうためには、基礎学力と社会性が必要。自殺を選ばなくてよい大人を育てたい。そして社会に良い循環をつくりたい」と語った。
三段壁にある自殺志願者を救うためのメッセージを書いた看板について「看板があるから自殺者が増えるのでは」「観光地にはそぐわない」などの批判があることも紹介。藤藪さんは「行政ならみんなに平等が原則だが、民間だからクレームが来てもぶれずにやっていける。これからも自殺志願者の声に耳を傾ける活動を続けていきたい」と話した。
白浜レスキューネットワークでは、毎週水曜の午後8時半~11時、電話での相談を受け付けている。希望者は同ネットワーク(0739・33・7686)へ。
【自殺防止について講演する白浜レスキューネットワークの藤藪庸一理事長(和歌山県田辺市新庄町で)】
(2011年02月14日更新)
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