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信徒は一つ 被災した栗原の教会、一関で合同の復活大祭
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4962 日 前
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栗原市の有形文化財「金成ハリストス正教会」が、今月7日の強い地震で屋上の十字架が折れたり、内部の壁が落ちたりする被害を受けた。祈祷(きとう)ができない状態になったものの、信徒は24日の復活大祭を岩手県一関市内の正教会に赴いて合同で祝うことになった。
復活大祭は、正教徒がクリスマス以上に重視する最大の祭日。金成教会の川股峰輝執事長(69)は「こんな時だからこそ神の加護を、そして信徒と社会の平安を祈る」と話す。
金成教会の被害は3月11日の東日本大震災の際には比較的軽く、2日後の13日には信徒が集まって月に1度の祈りをした。
しかし、今月7日の被害の方が大きかった。内部の壁が一部落ち、イコン(聖像画)が並ぶ聖所奥の扉が壊れた。3月の地震で傾いていた屋上の十字架は折れ、屋根をふく雄勝スレートが落下した。これを知った栗原市内を中心にする15軒ほどの信徒は、復活大祭の実施を諦めた。
それでも、金成教会を管轄する一関ハリストス正教会の小池裕幸神父は大祭の合同実施を促した。大祭は信徒が通う教会で祝うのが通例だが、「震災の後のこと。信徒が一つになって神の愛につながり、『(キリスト)実に復活』を唱和しよう」と考えた。小池神父は以前から金成教会の祈祷を執り行っていて、交流があった。
金成教会の再建については、栗原市教委が約116平方メートルの教会本体の改修費を一部補助する方向で検討中。教会脇の信徒集会所や石垣を含めると「500万円以上は必要」と会計執事の川股洋一郎さん(66)はみる。教団に頼ることになりそうだが、他の正教会も被災しており、どこまで当てにできるか分からない。
金成教会は1934年に建てられ、2007年に市有形文化財の第1号に指定された。前身の祈祷所では「日本労働運動の父」と言われる鈴木文治が洗礼を受けた。(島田博)
asahi.com 2011年4月22日
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