みんなのキリスト教ニュース - 【ベトナム・インドシナ】自治求め集結のモン族を軍が鎮圧[政治]

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 北部ディエンビエン省で、自治を求めて集結した少数民族のモン族に対して、軍が出動して鎮圧、解散させたもようだ。6日付VNエクスプレスや外電などが報じた。

事件が発生したのは、省都ディエンビエンフー市から北西約200キロにあり、ラオス・中国と国境を接するムオンニェー郡で、集まったモン族は3,000人を超えた。

モン族の集結は、今月初めに始まり、軍が5日に武力で解散させた。死傷者の有無や動員された軍の規模は明らかにされていないが、軍は現地以外の地域から派遣されたもようだ。

国内では2001年と04年に、土地収用に反対し、信教の自由を求める中部高原の少数民族に対して、軍が出動して鎮圧。少数民族約1,700人がカンボジアへ逃げたとされる。今回の事件は、それ以来最大の少数民族に対する弾圧事件となった。

ディエンビエン省人民委員会のレ・タイン・ドー副主席によれば、モン族の間に、「救い主が出現して約束の土地へ導いてくれる」とのうわさが広まり、これを利用して、モン族の独立国を建設する主張が現われたという。「王を称する者が現われて、住民を結集させた」との情報もある。

モン族の多くはキリスト教徒で、国内の最貧困層の一部を形成する。これまでにも、モン族の間で、キリスト教国家の建設が呼びかけられたことがあるという。

モン族は、インドシナ戦争(1946~54年)やベトナム戦争(60~75年)中に、フランス、米国に協力して、ベトナム独立同盟(ベトミン)やベトナム民主共和国(北ベトナム)などの共産勢力に抵抗したことがある。ベトナムには79万人が住んでいるという。

■28人死亡?

米国首都ワシントンにある治安・開発・人権などの調査団体、センター・フォー・パブリック・ポリシー・アナリシス(CPPA)は、今回の事件について、「土地収用への反対と信教の自由を求めたモン族を、正規軍が攻撃し、モン族28人が死亡し、数百人が行方不明になった」と伝えている。

オーストラリアのベトナム専門家、カール・セイヤー氏は、「ベトナムには、地方の民兵や軍、機動隊など、各種の治安維持部隊がある。軍が派遣されるのは異例だ」と述べている。

NNA.ASIA 2011年5月7日(土曜日)


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