みんなのキリスト教ニュース - 手作り音楽会 被災者励まし

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 盲目のテノール歌手、新垣勉さん(58)が3日、横浜関内ホールで東日本大震災チャリティーコンサートを開く。会場探しや出演者との交渉、チケットの手配、ポスター作りまで家族らが行った「手作りコンサート」だ。

 地震発生直後、新垣さんは「被災地に行っても役に立たないが、何か被災者ののためになることをしたい」とコンサートを思いついた。普段は出演依頼を受けることが多く、自ら企画するのは慣れていない。それでも翌日から妻宗子さん(37)ら家族と会場を探し、宗子さんの実家がある横浜市での開催を決めた。

 沖縄出身の新垣さんは米兵の父と日本人の母を持つ。助産師のミスで生後まもなく失明。両親が離婚し、祖母に育てられたが、中学生の時、祖母も亡くなり、身寄りを失った。自分を捨てた両親を憎み、視力を奪った助産師を恨んだ。人生に絶望して自殺しようとしたこともある。

 そんな時、祖母が好きだった賛美歌にひかれて教会に通うようになる。各地の教会などでコンサート活動を続け、1987年、34歳で音大に入学。01年、CDデビューを果たした。

 家族同然に受け入れてくれた牧師。音大に入るための資金を出してくれた友人。歌の恩師のボイストレーナーは、新垣さんのラテン的な声質を高く評価し、「(メキシコ系米国人の)お父様に感謝しなさい」と運命を変える言葉をかけてくれた。多くの人の支えに対する感謝を込め、「今度は自分が誰かの支えになりたい」と願って企画したコンサートでもある。

 演目は北上夜曲、青葉城恋唄など東北に縁のある曲が中心。収益のほとんどは日本赤十字社に義援金として寄付し、福島県からの避難者も招待する。

 新垣さんのほか、川崎市出身のマリンバ奏者奥平哲也さん(51)らも出演。福島県郡山市でコンサート直前に地震にあった奥平さんは「すぐ協力したいと思った。音楽の持つ力を改めて感じてほしい」と語る。

 新垣さんは「今後は被災地の子どもを援助する活動を続けていきたい」と話している。

 3日午後7時開演(開場午後6時)。前売り券5500円。当日券6千円。問い合わせや予約申し込みはメール(info@effatamusic.co.jp)か事務局携帯(090・7203・2106)へ。

(斎藤博美)

asahi.com 2011年06月01日


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